テレビゲーム文化考

第7回 “ゲーマー”でメシは食えるのか?

2009.10.01 THU

テレビゲーム文化考


画像提供/エンターブレイン 写真は2007年末、東京のお台場で、日本eスポーツ協会設立準備委員会が主催する『eスポーツ日韓戦』が行われたときのもの。バスケット、サッカー、格闘技の3つのジャンルのゲームで勝敗を競い合いましたが、残念ながら日本は惜敗。また、韓国のプロゲーマーによる『スタークラフト』のエキシビジョンマッチも行われました

世界の“プロゲーマー”事情って一体どうなってるの?



なんでも海外にはプロゲーマーという職業が存在していて、プロスポーツのように日々試合を行っているらしいんです。

日本ではプロゲーマーなんて聞き慣れない職業ですが、一体どんな国で盛んなんでしょうか? ゲーム雑誌出版のエンターブレインに勤務し、日本eスポーツ協会設立準備委員会のスタッフでもある小里浩一さんに聞きました。

「海外でもっともプロゲーマーがメジャーな国は韓国でしょうね。2000年くらいからコンピューターゲームを使った競い合いをエレクトロニック・スポーツ(略称:eスポーツ)と呼称し、世界にも普及させようとしています。海外のeスポーツでは主に『カウンターストライク1.6』や『スタークラフト』といったPCゲームをプレイしています。韓国以外でも、中国やアメリカ、北欧などにもeスポーツのプロ選手、つまりプロゲーマーは存在しますよ」

韓国ではeスポーツ協会がプロテストを兼ねたゲーム大会行い、そこで優秀な成績を収めた選手に教育を行って、プロゲーマーを育成しているそう。なんでも12チームがリーグ戦を戦っており、現在は数百人のプロゲーマーが在籍。選手を獲得する際には、プロ野球のようにドラフトをするのだとか。韓国のプロゲーマーはスポーツ選手のように人気があり、トッププレイヤーともなれば数千万円もの年俸のゲーマーもいるのだそう。

ゲームをやってお金がもらえるなんて、うっ、うらやましい! でもそのお金って、一体どこから出ているんでしょう?

「簡単にいえば企業の広告費です。世界的にみると協賛企業にはintelなど、プロゲーマーが競い合いの際に使うPC機器関連のメーカーが多く、メディアもスポーツイベントのようにプロゲーマーの試合を報道するので、広告効果があるからです」

日本での社会人野球など、実業団スポーツのような感じでしょうか。韓国では、インターネット網などITインフラを整える気運を高めるため、プロゲーマーをスター選手のように扱い、国家の政策でプロゲーマーを増やしていった経緯もあるのだそう。韓国空軍のプロゲームチームもあるほどなんです。今後eスポーツは世界的に広まっていくんでしょうか?

「2005年からアジア室内競技大会というのが2年ごとに開催されていて、その中でフットサルやビリヤードなどとともに、eスポーツも行われています。前回は7カ国がエントリーしましたが、残念ながら日本にはeスポーツの選手を送り込むための組織が存在しませんでした。しかし、2007年に日本でもeスポーツ協会の準備組織日本eスポーツ協会設立準備委員会(JESPA)が発足し、海外のeスポーツ大会に選手を出場させたり、国内でeスポーツを普及させる活動を行っています。将来的に、オリンピックのようなイベントにeスポーツが採用され、プロゲーマーの職業化にもつながるといいですね」

日本でも、ゲームをプレイしてメシが食える環境が整う日も近いのかも!
アニメ・ゲーム・マンガ求人サイトの「ラクジョブ」(http://raku-job.jp/)に掲載された「デバッガー」募集の例。ツライ仕事だという話を聞きますが、1度くらいはやってみたいかも…

日本で“プロゲーマー”になる方法って?



世界では企業からお金をもらってゲームの試合や大会に出場するプロゲーマーという職業があり、特に韓国や中国、アメリカ、ヨーロッパで盛んだそうです。

ゲームをしながらお金をもらえるなんてうらやましい! 日本でもプロゲーマーになる方法はないのでしょうか? ゲーム雑誌出版のエンターブレインに勤務、日本eスポーツ協会設立準備委員会のスタッフでもあり、プロゲーマー事情に詳しい小里浩一さんに聞きました。

「うーん、現状では難しいですね。海外ではゲームをeスポーツと呼ぶこともあるように、本物のスポーツに近い見られ方をしています。しかし日本ではまだまだ娯楽・趣味の域を出ず、ゲーマーの職業化という分野では、日本は世界でも遅れているといわざるをえません」

過去に1度だけですが、日本でも海外のプロゲーマーを雇ってイベントを行った企業があったり、海外のプロゲームリーグでの活躍を目指し、海外へ留学している日本人プレイヤーはいたりするものの、日本で海外のようなプロゲーマーになるのは難しそう。うーん、残念。

しかし、あきらめきれずにプロゲーマーに関してネットで検索してみたところ、デバッガー(ゲームにプログラム上のミス=バグがないかをチェックする人)やゲーム攻略本編集者もプロゲーマーとして紹介されているケースが多いことを発見。なるほど、仕事でゲームをしている以上、攻略本編集者もプロゲーマーといえる? 多くのゲーム攻略本を手がけた、シービーズプロジェクトの成沢大輔さんに、日本版プロゲーマーのなり方を聞きました。

「まず デバッガーですが、デバッグを専門に行う会社があるので、そこに入ればデバッガーになれます。しかしデバッグの仕事というのは、バグを見つけるために、ゲーム内の壁に一日中ぶつかっていたり、ジャンプし続けたり、あまり撃たないような場所で銃を撃ちつづけたりと、普通のプレイとは言いがたいですね。他にチューナーといって、デバッグと合わせて開発中のゲームの難易度などのチューニングを行う会社もありますが、数は多くありません」

デバッグって大変そうですね。デバッガーやチューナーはプロゲーマーというよりも開発者の一種といった方がよさそう。では、攻略本編集者はどうでしょう?

「かつてアクションゲーム全盛のころは、ゲームが上手な人にプレイをしてもらい、攻略法やコツを聞いて記事を作ることもありました。そういう人はゲームをプレイするだけで収入を得ていたことになりますが、今ではほとんどないですね」

現在、ゲーム攻略法の記事は、ライターや編集者が実際にプレイして記事を制作しているのだそう。ゲーム誌や攻略本を作る出版社や編集プロダクションに入社したとしても、ゲームプレイだけを専門にすることはできないってことか(ガッカリ)。

プロゲーマーになる夢はひとまずあきらめて、アマチュアゲーマーとしてゲームを楽しむことに専念しますか! ゲームだけをして暮らす!

そんな夢の生活は、
日本ではまさしく夢幻のものだと知りました。

韓国などのプロゲーマーも、
成績が悪ければ企業との契約を打ち切られる
実力主義の厳しい世界のようですし、
『マリオ』の最初のクリボーでやられてしまうボクにはどうやら難しそう。

ゲームは1日1時間!
趣味でやるのが一番かもしれませんね。
あきらめて真面目に働きますか。

さて皆さん、ゲームに関して不思議なことはないですか?
「東京ゲームショウでなにか新しい発表はあった?」
「ゲームをしながら健康になることってできないの?」
「『ラブプラス』って現実だよね?」
などなどの疑問を、から送っていただければ、
あなたの投稿がヒントになって記事が作られることもあるかもしれません!

お便りどんどんお待ちしてまーす!

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