テレビゲーム文化考

第10回 テレビゲームの開発費は億単位!?

2009.11.12 THU

テレビゲーム文化考

------
はじめまして、こんにちは。
小さなころの夢が記事になっているのにちょっと笑えました。

(中略)

私にとってのゲームとは、アニメや漫画より面白く、
小説よりも自由度(話の展開など)が高いところがポイントで、
人生に欠かせません。

ゲームネタをあげるなら、
やはりクリエイターやプログラマーの話もぜひ、所望します。
特にグラフィック面での。
---------
投稿者:みけねこさん(大阪府/23歳/男性)

クリエイター、つまりゲームを作っている人の話ですね。
考えてみればゲームがどうやって作られているかって、
あまり知らないかも!

今回はゲームとはどうやって作られているのか、
この根源的な(?)問いについて調べてきました!

様々な苦労話があるようで。
東品川にあるバンダイナムコゲームス本社「未来研究所」。この未来っぽいデザインの本社で日々ゲーム開発が行われているんですね!

テレビゲームっていったいどうやって作ってるの?



日々なにげなく遊んでいるテレビゲーム。

ところでこのテレビゲームっていったいどうやって作られているんでしょう? 毎日遊んでいるけど、よく知らない。

というわけで、バンダイナムコゲームスで『鉄拳シリーズ』のプロジェクトディレクターを務めている原田勝弘さんと、米盛祐一さんにテレビゲームの作り方についてお話を聞きました!

「最初に企画提案書という、ゲームのアイデアや思いついたキーワードをまとめた資料を作ります。この段階では本当に紙1枚にひと言、『大男がスゲー戦って、殴られるとスゲー吹っ飛ぶ』とか、『ボタンを押したらビルが爆発する』とか、簡単なゲームのコンセプトしか書かれていません。そんなアイデアを持ち寄った企画会議のなかで、深く掘り下げたり、アイデアを合体させたりしていきます」

アイデアが言葉だけでは伝わりにくい場合、企画提案書から簡単な実験用ゲームを試作し、ゲームの骨子を数人で作ってしまうこともあるそう。確かにゲームって、実際に触って動かしてみないと面白さが分からないことも多いですもんね。

「そして次に企画書を作り、さらに仕様書を作ります。仕様書は企画書の内容をもとに、画面構成や様々な数値が書き込まれ、より具体的になったゲームの設計図となるものです。しかしこれは、開発が進むにつれ、書き直されることが多々あります。実作業の議事録になっていることも多いですね(笑)」
実際にゲームを開発している部署に潜入! モニターを何台も使っていたり、デスク上にゲームのコントローラーがあったり、携帯ゲーム機が接続されていたりと、ゲームを開発している雰囲気が漂います
実際、15年ほど前までは、仕様書を作らずに開発することも多かったそう。しかしゲームハードの進化によって、ゲームソフトの開発にも大勢の人員や外部のスタッフの協力が必要になり、しっかりした仕様書が必要になったのだとか。

「仕様書をもとに、プログラム、サウンド、キャラクターや舞台となるゲームステージの制作をそれぞれ並行して行っていきます。トライ&エラーが繰り返し行われる、ゲーム開発の山場といってもいいでしょう。この作業が進むとゲームの全体像も徐々に見え始めます。『このゲームはイケる! 売れるぞ!』と感じると、自然と開発にも気分が乗ってきますね」

しかし実際に動かせる段階にたどり着くまでには、例えば1年の開発期間があった場合には、4~6カ月かかるのだとか。

「ゲームの基礎ができると、その上に乗せるモノキャラクターやゲーム中のイベントなどの量産体制に入ります。それらと並行してバグを取り除くデバッグや、クオリティアップのための調整を行います。それが終われば、無事発売になります」

ものすご~く簡単にいうと、企画仕様書プログラムやサウンドなどの制作まとめてゲームの形にするデバッグなどを含めた調整発売という段階を踏むわけです。そうした長い開発期間を経て、ボクらの手元にゲームが届いていたんですね。
開発部に実際に設置されていたアーケード用筺体。これを使ってテストプレイをしたり、実際の画面の見え方をチェックしたりするのだそう。(なぜか)手作りのランキング表も設置されています

ゲーム1本作るにはいくらかかる?ゲーム開発の苦労話を聞いた!



大勢の開発者の手によって作り上げられ、ボクらの手に届くゲームソフト。

ところでゲームソフトを1本作るのって、実際どれほどのお金や時間がかかるものなんでしょう? 『鉄拳シリーズ』を制作した、バンダイナムコゲームスの原田勝弘さんと米盛祐一さんに聞きました。

「開発予算、期間に関しては本当にピンキリですね。例えばDSのソフトですと数千万~1億円で作るものもありますが、PS3やXbox360のソフトでは、数億円単位の開発費がかかるのが当たり前の世界です。人数も、ファミコンのころは5~6人で作るゲームが多かったのですが、今では小さい開発チームでも20~30人、『鉄拳』チームの場合、常時40人いて、人手が必要な開発の最盛期になってくると、100人を超える体制になりますね」

『Grand Theft Auto IV』というソフトでは、開発費はなんと100億円を超えたともいわれています。日本でもかつて『シェンムー 一章 横須賀』というゲームでは「総制作費70億円!」と大々的に宣伝していましたね。さすがにそれらは例外だそうですが、それでも今ではゲーム1本の制作に数十億円かかるというのも珍しい話ではないそうです。

「そのゲームのジャンルによっても開発費は変わってきますね。例えばパズルゲームではそんなに予算・期間はかからず、逆にRPGは予算も期間もたくさんかかります」

制作期間に関しても、大作ソフトの場合、数年かかることも珍しくないのだとか。そんな時間のかかるゲーム開発のなかでは、大変なことも多いのでは?
今回話を伺った、バンダイナムコゲームスの原田勝弘さん(右)と、米盛祐一さん(左)。おふたりが開発した最新作『鉄拳6』(PS3/Xbox 360)は好評発売中です!
「大変なのは、テストプレイを兼ねたデバッグ作業ですね。作業自体が単純でつらいということもあるのですが、反省点がいくつも見えてくる作業ですから。あと、最初に考えていた仕様をゲームに入れ込めず、泣く泣くゲームモードなどを切らなければいけない時も悔しいですね。そして家に帰れないこと! 昔、私は1カ月で1日しか家に帰らなかったこともあります(笑)。最近はそういった開発現場も少なくなってきていますが。そうなると彼女や友達がいなくなるんですよね(遠い目で)」

開発期間が長いだけに壮絶ですね。では逆に、一番うれしい時というのは?

「自分が開発に携わったゲームが製品になり、店頭に並んだ時は格別ですね。ショップに売れ行きを眺めに行きましたもん(笑)。あと『鉄拳』などのアーケードゲームの場合、家庭用ゲームと違って、遊んでいるお客さんの反応がじかに見られますから、お客さんが熱中してプレイしてくださっているのを見ると、『苦労して制作した甲斐があったな』と思います」

苦労して開発したゲームが発売される時には、特別な感慨が生まれるそう。ボクらが普段遊ぶゲームには、開発者の汗と涙が詰まっているんですねぇ。 普段なにげなく遊んでいるテレビゲームには、
大勢の人の努力と膨大な時間、
そして巨額の開発費が注ぎ込まれているのだと、改めて知りました。

多大な労力をかけて作りこまれているゲームですから、
いろいろな要素を味わいつくしてプレイしたいですね。

テレビゲーム開発者の皆さん、
これからも面白いゲームを作り続けてください!

さてこのコーナーでは、
ゲームにまつわるギモンや不思議を幅広く募集しています。
「ゲーム機が消費する電気代ってどれくらい?」
「携帯ゲーム機のバッテリーを長持ちさせる方法ってある?」
「マジコンのまん延は現代社会におけるモラルハザードの象徴ではないだろうか?」
などなど、疑問や意見がございましたら、
からぜひお便りください!

ひょっとしたらあなたの意見から生まれた企画がR25.jpに掲載されるかもしれませんよ!

テレビゲーム文化考の記事一覧はこちら

関連キーワード

注目記事ピックアップ

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト