テレビゲーム文化考

第11回 人はなぜ“クソゲー”を愛するのか

2009.11.26 THU

テレビゲーム文化考

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私は気がついたら家にゲーム機があるという家庭で育ったので、
悪者という概念はありません。

新機種が出るたびに古いゲーム機を祖母に譲っていたら、
某パズルゲームでは、祖母ははるかに私より強くなっています。

(中略)

最近では、彼氏と一緒に通信機能を使って、
モンスターを倒しまくっています。
一人ひとりハマるゲームは違いますし、
そこから違ったものを得られると思います。
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投稿者:すぶたさん(東京都/22歳/女性)

気の置けない仲間と和気あいあいと遊ぶゲームは
すごく楽しいものですよね。

ゲームとしてのデキがイイものはもちろん、
デキがイイとは言い難いクソゲーと呼ばれるゲームも、
友達と遊ぶとその理不尽さに爆笑が起きたりして
また別の楽しさがあったりします。

今回はそんなクソゲーの魅力について調べて、
R25.jpでもザ・ベスト(ワースト?)・オブ・クソゲーを
選ぶアンケートを行いました。

果たしてその結果は?
クソゲーをレビューしている『超クソゲー2』。「『EVE the Lost One』というアドベンチャーゲームは、主人公がいなくなるなどシナリオが迷走するのですが、後でシナリオライターを調べたら(直木賞作家の)桜庭一樹だったのか! という発見があったり。“クソゲー”は本当に奥が深いですね」(多根さん)。ちなみに『超クソゲー3』も鋭意制作中だとか!

記録より記憶に残る?あの“クソゲー”の魅力とは



ファミコン発売から20年以上が経ち、家庭用ゲームではそれこそ星の数ほどのタイトルが発売されてきました。その中には、「ちょっとコレは」と首をかしげたくなるようなデキの、いわゆるクソゲーと呼ばれるものもあります。

しかし、そんなクソゲーはなぜか人を魅了し、クソゲーにまつわる本やDVDも発売されています。一体なぜ、ゲームとしてはデキの悪いハズのクソゲーが、それほど人を魅了するのでしょうか? 『超クソゲー』などクソゲーにまつわる多数の著書がある多根清史さんに、クソゲーの魅力について聞きました。

「クソゲーってデキが悪いというより良さが分からないと表現した方がいいと思うんですよ。僕たちの文化や常識で考えれば良いところが見つからない、ごめんなさい!っていう。プログラムの技術や絵が稚拙だったとしても、生半可じゃデキが悪いゲームというだけ。とことん突き抜けていないとクソゲーとは呼びたくありません。そこに何かが降ってきて、どうしてこうなった!? と作為を超越した神々しさに手を合わせたくなるものがクソゲーと呼ぶに値するんです」

とにかく常識を超えた、ゲームの常識を覆すほどのインパクトがないと、クソゲーたりえないと。深いですねえ(笑)。

「その意味で、クソゲーは人がプレイしてあきれかえることで、初めて完成するんですよ。理不尽なシステムに苦しみ、オマエはどうしてクソゲーなんだ? とプレイヤーがゲームに問いかけたくなるような、1つのゲームに、ありえないほど苦労する体験こそが、クソゲーの魅力なのではないでしょうか。僕らのクソゲーレビューも、実は七転八倒している俺たちの体験記なのかもしれません。最近は動画サイトで簡単にクソゲーのプレイ動画を見ることができますが、クソゲーはおいしいところを切り取ったものを見るもんじゃなく、体験しないと。皆さんにも、多くのクソゲーを買ってプレイしてもらいたいですね!」

他のゲームでは味わえない苦労自体がクソゲーの魅力。だとすると、確かに自分でプレイしない限りその魅力は味わいつくせません。ばんばん買うのは気が引けますが、プレイ中に何度も心が折れそうになるクソゲー体験記は間違いなく話のタネになる! ハズ。
“ゲームアイドル”として活躍中の杏野はるなさん。ゲームイベント「ゲームは一日8時間。」は毎月開催中!

僕らの青春の思い出?記憶に残る“クソゲー”って?



理不尽な難易度や、どう見てもゲームとして破たんしているクソゲー。

そんなクソゲーの中でも、僕らにもっとも苦い記憶を植え付けたザ・ベスト(ワースト?)・オブ・クソゲーとはどのタイトルなのでしょうか? ゲームアイドルとして活躍中の杏野はるなさんに、ザ・ベスト・オブ・クソゲーを聞きました。

「ファミコンの『キャプテンED(えど)』というシューティングゲームですね。シューティングということは分かるのですが、世界観やゲーム中に出てくるアイテムが謎、謎、とにかく謎なんです。一応クリアしたんですが、結局謎のままでした。みんなで突っ込める、想像する楽しみがあるのがクソゲーと呼ばれるゲームのいいところだと思います」

このゲーム、調べてみると「宇宙を舞台にしたシューティングRPG」で、「囚われた七福神を助ける」のが目標。途中にはコンビニがあり、梅干しや納豆が買えるゲームなのだとか。うーむ、ちょっと確認しただけでも十分クソゲー臭が漂います!

さらに多くの人々のザ・ベスト・オブ・クソゲーを調べるために、R25.jpにてクソゲーアンケートを実施! 以下の代表的クソゲー5本から、もっとも記憶に残っているタイトルを選んでもらいました。(5タイトルのセレクト、コメントは『超クソゲー』等の著者・多根清史さん)
(C) TAITO CORP./ビートたけし 1986,2009 “クソゲー・オブ・クソゲー”といっても過言ではない『たけしの挑戦状』。Wiiのバーチャルコンソールで遊べたりします。未体験の方はぜひ一度お試しあれ!?
・『たけしの挑戦状』(ファミリーコンピュータ/1986年/タイトー)
「ゲームを1時間放り出して宝の地図を日光でさらすとか、分かるわけないですよ! まさに世界のキタノの原点ではないでしょうか」

・『デスクリムゾン』(セガサターン/1996年/エコールソフトウェア)
「ガンシューティングなのに照準がちゃんと合わせられないし、オブジェが汚すぎて何を撃ってるのかもよく分からない! ハンディカムを片手に無人島を走り回って撮ったすさまじいOPムービーや、『せっかくだから、俺はこの赤の扉を選ぶぜ』といった名ゼリフの数々が魅力です」

・『トランスフォーマー コンボイの謎』(ファミリーコンピュータ/1986年/タカラ)
「敵の弾が1ドットくらい小さくて、いつ撃たれたか分からないうちに死んじゃう。豆粒みたいな一撃を食らって、大爆発するトランスフォーマーには頭を抱えましたね。ハリウッド版よりもコッチでしょう!」

・『ミシシッピー殺人事件』(ファミリーコンピュータ/1986年/ジャレコ)
「チャールズ卿(ホームズではない)が関係者の部屋に入ったら落とし穴に落ちたり、いきなりナイフが飛んできてゲームオーバーになったり。推理するどころじゃない(笑)」

・『センチメンタルグラフティ』(セガサターン/1998年/NECインターチャネル)
「ギャルゲーバブルに咲いたあだ花ですね。ゲームがなかなか発売されなくて話題になり、発売されたら『暗黒太極拳』と称されるすさまじいオープニングと、野宿して現地妻を巡り歩く主人公! 続編のオープニングで、この主人公の葬式が催されたのもいい思い出です」

と、クソゲーの名作がズラリ。このなかからR25.jp読者に選ばれた最高のクソゲーは、『たけしの挑戦状』でした!

さすがのひと言。アンケートにご協力いただいた皆さん、ありがとうございました! なんで俺、こんなソフト買っちゃったんだろう。
プレイ直後、ガックリと落ち込みたくなるクソゲーですが、
それだけにプレイヤーに強烈な印象を残し、
いつまでも語り継がれる名作があります。

R25.jpでアンケートをとった結果、
『たけしの挑戦状』が見事(?)1位に選ばれました。
ネットで評判や動画を見るだけでもそのすごさは伝わりますが、
機会がありましたら、ぜひ実際にプレイしてみてください。

想像以上にスゴイですよ!
クソゲーの虜になること請け合いかも!?

さてこのコーナーでは、
ゲームにまつわるギモンや不思議を幅広く募集しています。
「DSやPSPの後継機はいつ出るの?」
「ハードが薄型化するのは何が小さくなってるの?」
「スポーツゲームは本物のイメトレになる!?」
などなど、疑問や意見がございましたら、
からぜひお便りください!

ひょっとしたらあなたの意見から生まれた企画が
R25.jpに掲載されるかもしれませんよ!

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