来年からカーナビ精度が低下する?

アメリカも慌てて対応「GPS2010年問題」の真相

2009.12.17 THU



写真提供/アフロ
ケータイの地図情報やカーナビ、航空機の運航…。いまや生活に欠かすことができないGPSを使ったサービスが来年からきちんと使えなくなるかもしれないという。まさにGPSの2010年問題か!? 『GPS技術入門』の著者で独立行政法人電子航法研究所の坂井丈泰研究員に詳しい話を伺った。

「発端は米議会の行政監察院による『GPSの精度が来年以降に下がる』という報告です。この報告では、製造メーカーが合併したり、米国の予算が確保できなかったことで後継衛星の開発が遅れ、GPSの更新が間に合わない可能性を示唆しています」

でもこれはアメリカの話だから、日本は影響を受けないのでは?

「日本だけではなく、世界中がアメリカのGPSに頼っているので影響はありますが、遅延はしたものの、新衛星は打ち上げられました。また、そもそもGPSは衛星が24基以上あれば正常に運用でき、現在30基以上が周回中。衛星の耐用年数も7年半で設計されていますが、15年以上使っているものもあるんですよ」

GPSに関しては、アメリカの技術が世界最高水準であることに加え、無料で開放されているため、世界各国がアメリカに頼っている状況なのだとか。でも、ここまで依存していたら、先方の都合で利用を制限されてしまう可能性もあるのでは…?

「確かに非常時には利用を制限されるでしょう。ロシアや中国では、有事の際にも困らないように衛星やシステムなどを自国で開発しており、日本も来年夏の打ち上げを目指して開発を進めています。しかし、まだどの国も技術力・開発費が不足しており、アメリカのものを利用せざるをえない。『高い開発費をかけるよりもこのまま無料でアメリカの衛星を利用した方がいい』という意見もありますが、GPSがいつまでも無料で開放されるという保証はなく、不安は残ります」(同)

便利な機能の裏に、各国のそんな思惑が絡んでいたんですね…。
(小川裕夫)


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