考えるだけで動かせる?

「脳波マウス」「脳波TOY」etc. 脳波グッズが続々登場!

2010.02.18 THU



写真/熊林組
脳波を利用して家電のスイッチを入れる装置。昨年末、そんな夢みたいな装置の特許を取得との報道があった。脳波とは念力のようなものなのだろうか? 生理学研究所で脳を研究する柿木隆介教授に聞いた。

「生体が活動をすると、必ず細胞中に電気が流れます。例えば、心臓が動くと心電図に電気現象が表れるでしょう。それと同じで、脳が何かを考えたり、刺激を受けたときにも、神経細胞に電流が流れるため、電気現象が表れます。それを記録するのが脳波なんです。脳波は、体の特定の部位を動かしたいと思うだけでも、出現場所や周波数が変化します。脳波で何かを動かす研究は、その特性を応用しているんですね」

前述の特許を取得したのは、米子高専の加納尚之准教授。具体的には、どうやって家電のスイッチを入れるのだろうか?

「もともとは自らの意思で体を自由に動かせないALS患者の手助けのために開発した装置なんです。まず『ライト』『携帯充電』などの家電名をモニターに表示して、3種類の脳波を計測。それを解析して目的の家電を特定すると、スイッチが入るといった仕組みです。4年間の臨床実験で、解析精度はほぼ100%に達しました」(加納准教授)

加納准教授の特許以外でも、特定の思考や刺激で検出される脳波を解析して何かを動かす研究は多数進められている。なかには、進行方向を思うだけで動く車いすなどもあり、介護分野での応用が期待されている。

さらに、脳波を利用するグッズは、一般向けの販売も増えてきている。計測方法を簡略化し、特定の脳波を検出することでコストダウンを実現した脳波センサーの出現により、それを利用したおもちゃや脳波測定グッズなどの発売が予定されているのだ。

現状では、脳波を使った複雑な操作などは難しく、一般的な脳波ブームがインターフェースの発達に直結するかは不明とのこと。ただ、新しいアプローチの一つであることは間違いない。今後の研究の進展が期待される分野だ。
(笹林 司)


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