薄毛、肥満のリスクもわかる?

話題の「遺伝子診断」で一体どこまでわかるのか?

2010.02.18 THU

最近、「遺伝子診断」「遺伝子検査」という言葉を目にする機会が増えた。費用も5000円くらいからあり、薄毛やメタボになる可能性も調べられるというのだが…。実際、遺伝子検査でどんなことまでわかるのだろう?

「感染症やがんなどを中心に、かなり診断が難しい病気でも遺伝子検査で診断が可能になる疾患が増えています。薄毛や肥満、高血圧などは環境による影響も大きく、遺伝的な要素が加わることでリスクが上がるのではないか、と考えられていますが、まだ研究段階のため定かではありません」(東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター・武藤香織准教授)

薄毛やメタボの遺伝子検査にまだ科学的な妥当性はない!?

「現時点で太鼓判を押せる検査はないと思います。自分に遺伝的なリスクがあるかもしれないと思うことで、生活習慣を変えるきっかけにはなるかもしれませんが、遺伝情報は血縁者と共有する生涯不変の情報なので慎重な姿勢が必要です」(同)

では遺伝子の研究が進むと将来ぼくらの生活にどんな影響があるのだろう?

「その人に適した“オーダーメイド医療”が行われるようになるでしょう」とは、東京都臨床医学総合研究所/花粉症プロジェクト副参事研究員の廣井隆親博士。現在、治療における薬効の個人差を見極める研究が進行中だ。

「花粉症の舌下免疫療法という治療は現行の保険医療が使用できず、約2~3年もの治療時間がかかるのに、約3割の人には効果がないことがわかっています。まだ研究レベルではありますが、治療に入る前に遺伝子検査をすれば、効果の有無を高い確率で判別できます」(廣井博士)

今後の研究によって様々な病気の原因がわかれば、薬効の確率を上げたり、副作用の少ない薬の開発が進められると考えられている。でも遺伝子の情報は究極の個人情報でもある。利用にあたっては慎重な議論が必要となりそうだ。
(駒形四郎)


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