今春より新ケーブルの運用スタート

太平洋横断「光海底ケーブル」日米はどこで繋がってるの?

2010.05.20 THU



写真協力/KDDI
日米間に横たわる太平洋。その海底には総延長約9000kmもの通信用ケーブルが敷設されている。この太平洋横断ケーブルが初めて開通したのは1964年。当時は、まだ真空管式の同軸アナログケーブルによる電話回線で、容量はたったの128回線分しかなかった。以後、様々な技術革新を経て、1995年には5代目のケーブルが開通。2000年前後にはChina―US、Japan―USの各ケーブルが敷設された。そして今年3月、久しぶりの新ケーブル「Unity」の運用がスタートしたのだ。

これは、KDDI、米Google、印Bharti Airtelらが共同で敷設したもので、建設費用は約300億円。房総半島の千倉とロサンゼルスを結ぶ。つまり、はるばるアメリカ西海岸からやってきた通信波は、千倉で日本に上陸。そこから、国内に張り巡らされた通信網を伝って各家庭やオフィスのパソコンに届くというわけだ。

「『Unity』は最新の高密度波長分割多重方式を採用。これによって、最大4・8Tbps(テラビットパーセコンド)までの容量拡大を可能にしました。千倉の中継局では、アジア方面への海底ケーブルと接続。通信需要の爆発的増大に対応しています」(KDDIネットワーク技術本部・戸所弘光さん)

ちなみに、「Unity」には96波入りのファイバーが5組入っている。初代TPCと比べると、約45万倍の大容量・高速回線。今回の敷設には、保守費用の相対的な低下で旧式ケーブルの運用を停止して新ケーブルに切り替えた方が経済的という背景もある。

また、一時は通信事業者に対する販売やリースを目的とした海底ケーブル敷設ブームが勃発したそうだ。

「1998年に敷かれた大西洋横断ケーブルが商業的に成功したため、海底ケーブルへの投資ブームが起こりましたが、ネットバブルが弾けた以降は苦しい時代が続いたようです」

いずれにせよ、インターネットを享受できるのは深海の底で静かに横たわるケーブルたちのおかげなのでした。
(石原たきび)


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