コンピュータvs.人間の頂上決戦!?

日本最強の将棋ソフトがトッププロ棋士に「挑戦状」!

2010.09.16 THU


「コンピュータは人間の知を超えられるか?」。今秋、この究極の問いに新たな答えが出るかもしれない。日本におけるコンピュータ研究の総本山こと情報処理学会が、「名人に伍するコンピュータ将棋が完成した」として、日本将棋連盟にガチンコの挑戦状を叩きつけた。その運命の対局が、来る10月11日に迫っているのだ。

チェスの世界では97年にコンピュータが世界チャンピオンに勝利を収めているが、指し手のバリエーションが多い将棋では、まだ公式の場でプロ棋士は敗れていない。だが今回、コンピュータ陣営は自信満々だ。

「従来の将棋ソフトは、人間の上級者の思考をトレースする方向で発展してきましたが、05年に『BONANZA』という革命的なソフトが登場し、人間とは根本から異なる最強の思考回路が生まれたんです」

とは、早稲田大学政治経済学術院の瀧澤武信教授(コンピュータ将棋協会会長)。

いわく、BONANZAの特徴とは、(1)高性能なハードの演算能力に任せて十数手先までのあらゆる指し手(天文学的な数になる)を強引に読みきる、(2)プロの棋譜を何万局も読み込んで学習し、手の良し悪しを判断する基準を自己生成できる、という2点。つまり、たくさんの棋譜データを読み込ませるほどに強くなる「成長する人工知能」ということ。現時点で、アマチュア王者に完勝できるほど進化しているんだとか。

「人間と違い、コンピュータは弱くなることがありません。このまま研究を続け、人間側が何の対策もしなければ、おそらく5年後には人間が絶対勝てないレベルにまで達するはずです」(同)

まずは清水市代女流王将と戦い、勝利すれば男性トッププロ棋士たちとの対戦が行われる予定だ。最終的には「なるべく早く羽生善治永世六冠を引きずりだしたい」(同)とのこと。長い目で見ればコンピュータの勝利は必然かもしれないが、歴史的な“そのとき”が来る瞬間まで、人間様の食い下がりぶりをぜひ見届けたい。
(呉 琢磨)


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