あの家電のウソ? ホント?

第5回 どうして起きる!? 液晶の「ドット抜け」、解決策は?

2010.12.15 WED

あの家電のウソ? ホント?


液晶ディスプレイとは、2枚のガラス板の間に、固体と液体の中間的な性質を持った「液晶」状態の物質が挟まったもの。繊細な構造のため、強く押すと広範囲でキレイな表示ができなくなる可能性もあるとのこと、ドット抜けを“潰そう”と考えるのは、やめた方がよさそうです

押すと一瞬直ったように見えるのだが…



R25世代に必須の家電といえば、テレビや冷蔵庫よりも、まずはパソコン! 仕事でもプライベートでもディスプレイとにらめっこをするなかで、ポツポツとできた「ドット抜け」が気になったことってありませんか?

1点だけ暗くなっていたり、あるいはずっと赤や緑に点灯していたり…。経年劣化はもちろん、ドット抜けは製造過程でも避けづらいものだそうで、どうやらメーカーの補償外であるケースが多い様子。

そこで有名な対処法は、「とりあえず、ドット抜けした部分をグッと押してみる!」というもの。ネットの評判を見ると「直った!」という人もいれば、「まったく反応なし」という人もいるけれど、効果は期待できるの? 液晶研究のエキスパートである、東京理科大学基礎工学部の古江広和准教授に聞いてみました。

「結論から言うと、直る確率はゼロに等しいです。基本的に不純物(埃や塵)が問題を引き起こすのですが、ドット抜けの原因を大別すると『カラーフィルターの不良』『液晶分子の配向不良』『電気的な不良』の3つ。とくに多いのが電気的不良で、それが軽微な断線による場合に、パネルを押すことで断線部分が接触して直る可能性はゼロとは言えません。ただし、ディスプレイに新たな不具合を引き起こすリスクがあるのでオススメできません」

確かに、ディスプレイ自体が故障しては本末転倒ですね。一時期、ネットで「テレビの“砂嵐”のように点滅を繰り返す画像をダウンロードして、ドット抜け部分に表示させておくだけで直る!」という対処法も話題になりましたが、こちらの効果は?

「断線とは異なる電気的不良の場合、チカチカと点滅する画像を表示させることで、画素が活性化し、一時的に状態が改善することはあるかも知れません。しかし、しばらくすると元に戻ってしまうでしょうね」

リスクがないなら、試す価値はありそうですね。でも、根本的にドット抜けを直す方法はないんでしょうか?

「適当な手段はありません。ドット抜けは輝点(常に点灯しているもの)が目立ち、暗点はそれほど気になりません。そこで、輝点が数点であればレーザーで焼く努力をしてから出荷するメーカーもあります。“押したら直った”というケースも、圧力を加えることで、実は輝点が暗点に変わっただけのことが多いのではと思います」

古江先生によれば、数点のドット抜けが世界標準で許容されているおかげで、現在の液晶ディスプレイの価格が維持されているのだとか。このドット抜けのおかげで、ディスプレイが安く買えている…なんて考えれば、少しは気がまぎれるかも?
(橋川良寛/blueprint) あの家電、こうすると直ると聞いたことがある! などの噂、募集中
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