普及の課題はコストと設置場所

再生可能エネルギーの本命は風力、地熱、太陽光!?

2011.05.19 THU



画像提供/葛巻町
国内の発電量の約3割を占める原子力発電。しかし、福島第一原発の事故により、長期的な発電量の減少が懸念されている。東京電力は、石油や天然ガスによる火力発電で補おうとしているが、太陽光発電などを使うことはできないのか? 福島大学でエネルギー工学を教える島田邦雄教授に、現時点での再生可能エネルギーの実力を聞いた。

「環境負荷の低い再生可能エネルギーは、太陽光発電や風力発電が有名ですが、潮の満ち引きや波の力、大地の熱、川の流れなどを利用する方法も研究されています。なかでも、現実味があるのは、太陽光、風力、地熱の3つでしょう」

実際、九州電力の発電量の2%は地熱発電によりまかなわれているし、風力発電に関しては、最大で原発40基分の発電量が見込めるという環境省の試算もある。しかし、島田教授は、すぐに原発の代わりを担えるわけではないと語る。

「1つは、コストの問題。同じ電力量なら、風力、地熱発電は、原子力発電の約3倍、太陽光発電は約9倍のコストがかかるといわれています。そして、設置場所の問題。例えば、風力や太陽光で原発や火力発電所並みの発電量を得るには、広大な土地が必要になります」

ただし、コストは普及が進めば下がるし、土地の問題も洋上利用や電力の供給地域を細かく分け、地域内で自家発電をするようなシステムなどで解決できるという。

「再生可能エネルギーが実用化されると、現在の大規模送電インフラは見直され、小規模地域での電力供給が普及するのではないでしょうか。2050年頃には、総発電量の5割前後を再生可能エネルギーが占める可能性もあると思います」

国連機関WIPOの報告によると、再生可能エネルギー関連の特許は、55%を日本が占めているという。もし、エネルギー戦略の見直しが始まるのなら、それは「日本復興」の大きな一歩となるのかもしれない。
(笹林 司)


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