6月16日に皆既月食が観測可能! その前に…

世界各地の「月食」神話&言い伝えを集めてみた!

2011.05.25 WED


2011年は、2度の皆既月食(6月16日/12月10日)が見られる珍しい年。これを逃すと2014年10月8日まで待たなければならないので、じっくり観察したい人は覚えておこう 写真提供/GettyImages
天候次第ではあるが、6月16日に皆既月食が観測できる。ご存じのとおり、皆既月食は太陽・地球・月が直線上に並ぶことで、地球の影が月を覆い隠してしまう現象。前回起こったのは2010年12月21日で、神秘的な光景が話題になった。

この現象、今でこそ観測日も正確に導き出せるようになったけれど、原理が分からなかった時代には、かなり不思議な現象だったはず。そこで、世界各地の月食にまつわる神話や言い伝えを調べてみた。

神話学者・吉田敦彦氏の著書『世界の始まりの物語』によれば、北欧神話では、太陽と月が2頭の狼に追い回されているとされ、皆既月食は「月が狼に飲みこまれた」と捉えられていたそう。

同様に、インド神話では、ヒンドゥー教の神・ビシュヌの怒りを買い、首だけにされた4本腕の魔族「ラーフ」が、月を飲みこんで月食を起こすという話が。「月が悪いものに飲みこまれる!」という説は、世界各地にあるみたい。

また、気象研究家の故・根本順吉氏が著した『月からのシグナル』によれば、ヨーロッパの民話にも月をテーマにしたものが多いそう。例えば、ロシア帝国時代の劇作家、ニコライ・ゴーゴリがウクライナの民話をベースに書き上げた短編『月が消えた話』には、「空を飛びまわる男の悪魔がいて、月をポケットに隠してしまう」というエピソードが描かれている。民話らしく、ポケットというのがちょっとかわいい。

さて、科学ライター、マイケル・カーロヴィッツ氏による『月の歩きかた』を読んでみると、1504年2月29日に起こった月食に関してこんな話が。

当時、インドを探し求めて航海中のコロンブスが、ジャマイカ付近で座礁。ところが、ヨーロッパ人の侵略行為を恨んでいた原住民の助けを借りられず、立ち往生してしまった。そこで、間もなく月食が起こることを知っていたコロンブスは「もし我々を援助しなければ、神が月を連れ去ってしまうだろう」という“予言”を的中させ、恐れおののいた原住民たちの協力を得たんだとか。

やはり月食にまつわる神話やエピソードは、世界各地に転がっている模様。コロンブスの例を見ると、「月が飲みこまれる」「悪魔に隠される」など、不吉な話が多いのも、あるべきものが急になくなる、という怖さが理由なのかも。

原理を知っている僕らも、神話の世界に思いを馳せながら皆既月食を眺めると、また違った楽しみ方ができそう。6月16日、好天に恵まれることに期待しましょう!
(月川碧/blueprint)

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