日本人3人目のISS長期滞在者

6月8日、ソユーズで宇宙へ 古川飛行士のミッションは?

2011.06.02 THU



画像提供/JAXA/NASA
地上から約400km上空を飛ぶ人類最大の宇宙構造物。大きさは約108.5m×72.8m、質量約420トン。ISS=国際宇宙ステーションだ。ここにまもなく、JAXAの宇宙飛行士、古川聡さんが向かう。日本人としては3人めのISS長期滞在(約半年)となる。

…うん、いやあの、すごいなーとは素直に思うんですが、そんな何人も続けて、いったい何しに宇宙に行ってるんでしょーか?  

「ISS軌道上は、地上の100万分の1程度の微小重力に加え、多様な宇宙放射線が飛び交い、大気がほぼゼロという環境。それを利用した実験・研究や、地球・天体の観測など多くのプロジェクトが行われています。日本も『きぼう』実験棟を中心にさまざまな実験を行っています。また、長期滞在クルーの交代要員という意味合いもありますし、ISS自体の組立・保守点検・維持運用スタッフでもあります」(JAXA広報・松尾さん)

なるほど。でもその実験とかは、がんばれば地上でもできたりとかしないんですか…?

「植物の根の成長ホルモンをコントロールするタンパク質を調べたり、高品質の半導体結晶やタンパク質結晶を生成する実験など、無重力下だからこそ意味がある試みばかりですよ」(同)

植物の特定のタンパク質→栽培技術の向上。半導体結晶→コンピュータの処理能力アップ。タンパク質結晶→薬の開発などなど。どれも応用分野をきっちりみすえた上で厳選されている印象。長期滞在型ステーションならではの研究成果はいずれ、地上の暮らしや産業にフィードバックされるのだろう。

「古川宇宙飛行士は医師でもあり、宇宙環境による人体への影響を評価するための自身の医学データ収集や、その解析情報を軌道上および地上でモニタできるシステムの実証実験も行います」(同)

おおお。なんかとにかくやること盛り沢山の任務なんですね。今はまず長旅のご無事を祈ります。お気をつけて!
(及川 望)


  • ISS(国際宇宙ステーション)

    ISSには日本が保有する実験棟「きぼう」があり、多くの実験が常時行われている。ロボットアームでドッキングのため保持されてるのは補給機「こうのとり」2号機(HTV2)で、打ち上げたH-IIBロケット含め日本製。もちろん、ISS参加各国(カナダ、アメリカ、ロシア、ヨーロッパ諸国など15カ国)の技術協力は密接に行われてます。ちなみに古川宇宙飛行士の打ち上げ(6月8日)&ISS入室(6月10日)のライヴ中継はこちらから↓
    http://iss.jaxa.jp/iss/jaxa_exp/furukawa/library/live/
  • 太陽観測衛星「ひので」 (SOLAR-B)

    日米英による共同開発。可視光・X線・極紫外線という3種類の望遠鏡を搭載、おもに太陽の活動現象のメカニズムの解明に役立てられている
  • 超高速インターネット衛星「きずな」 (WINDS)

    高速大容量通信を実現する通信衛星。東日本大震災でも岩手県庁と釜石市および大船渡市の間にブロードバンド環境を構築するなど活躍した
  • 小型ソーラー電力セイル実証機 (IKAROS)

    対角線の長さ20m、厚さ0.0075mmという特殊樹脂でできた正方形の帆に太陽光圧を受けて進む独創的なアイデア(太陽電池とのハイブリッド!)を実証
  • 温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」 (GOSAT)

    二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガス濃度分布を宇宙から観測。地上での二酸化炭素観測と組み合わせることで濃度分布の精度アップに貢献

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