死んだ生物からしか出なかった!

科学で説明 ダシが出る仕組み

2012.07.04 WED


おいしいスープや鍋料理などにありつけたとき、僕らはよく「いいダシ出てるね~」なんて言ったりします。でも、ちょっと待て。僕らは牛、豚などの動物や魚介類からよいダシが出ることは知っていますが、そのダシがどのような理屈で発生するかはよく知りません。そもそも、ダシって一体なんなんだ?

「ダシとはつまりうま味成分のことを意味しますが、この成分のほとんどはグルタミン酸・イノシン酸・グアニル酸の3種類に分けられます」

とは、Webサイト「カソウケン(家庭科学総合研究所)」を運営し、科学技術コミュニケーターとして活躍する内田麻理香さんの言。はて、いきなり聞いたこともない物質名が飛び出してきましたが。

「グルタミン酸はアミノ酸の一種ですね。そして、そのアミノ酸が多数つながると、タンパク質になります。また、イノシン酸とグアニル酸は核酸の一種。核酸は、DNAや生物の代謝やエネルギーの源であるATPを構成している物質です」

はぁ、うま味成分とはつまり、生物にとってヒジョーに重要な物質だったんですね。

「その通り。もっと言うと、『生物の生命活動に必須の成分』こそがうま味、ひいてはダシの正体なのです」

なるほど~。では、ダシが発生するしくみについてはどうでしょう? どんな生物でも水に浸けたり煮込んだりすると、自然とうま味がしみ出るものなのですか?

「原則はそうです。でも、生きた生物からダシは出ませんよ。繰り返しますが、ダシの正体は生物に必須の成分。だから普段は細胞膜によって守られ、外部に出ないように調整されているんです。ただ、死んだ生物は細胞膜が壊れますので、グルタミン酸やイノシン酸などが流出するのです」

ああ! それであれほど魚介類がいっぱい棲んでいるのに、海の水を飲んでもおいしくないわけですね。ついでに、人が浸かった風呂の水も別にウマくない(笑)。「ダシ」にまつわる豆知識、納得です。

※この記事は2011年1月にweb R25に掲載された記事です

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