5 分でわかるARの未来

第1回 視覚だけじゃない? ARの意味とその可能性とは

2011.11.30 WED

5分でわかるARの未来


AR三兄弟がブランド「シアタープロダクツ」とコラボして作ったARファッションショー。カメラを通して覗けば、ARマーカーが記された“間取り図”の上でファッションショーが始まるという趣向だ THEATRE PRODUCTS 2010 A/W collection ”HOUSING” AR-fashion show

ARとはプロセスのショートカット



「GPSやマーカーなど、現実世界にあるさまざまなものを目印にして、なにかを発動させる仕組みがARです。わかりやすい例でいうと、カメラをかざすと位置情報をもとに、見えないモノが現実に重なって映し出されるといったケース。これを別の角度から考えると、“プロセスの省略”とも言えるんです。これまではURLを打ち込んで画像を表示させてから合成するという複雑な作業をしないと実現できなかったものが、カメラをかざすだけでできてしまう。言い方を変えれば、ARとはその過程を“透明化”させる技術ともいえるでしょう」

なるほど! ARとはプロセスをショートカットする技術のことだったのか! …で、それってどんな良いことがあるんですか?
医療機器メーカー・スタープロダクトのベインビュアビジョン。赤外線イメージング技術で皮下10mmまでの血管をデジタル映像化。皮膚表面にリアルタイム投影する“AR医療機器”
「実際にARが応用されている分野では、医療機器やカーナビなどがあります。医療の例だと、赤外線を使って血管をモニタリングして、それを皮膚に投影するシステムです。そうすることで、ダイレクトにその人の血管の位置がわかっちゃう。そうすると、注射を失敗することもないですよね?血管を探す手間が省けるわけです」

そもそも「現実上に非現実を重ねる」アイデアは古くからあり、1860年代に発表された光の屈折でホログラムを投影表示する“ペッパーの幽霊”というマジックが、元祖ARという説もあるのだとか。しかし、ARは何も映像だけに限ったものじゃないらしい。

「例えば“音”にはARの可能性が詰まっています。着る服に音楽を分解したトラックを仕込むことで、着ている服によって音楽が変わるという作品を発表したのですが、その時の気分に合わせて選んだ服を目印にして、自動的に音楽がセレクトされるという仕組みです。やがて、脳波から“気分”を読み取ることができれば、思っただけで音楽が変わるという仕組みに進化していくかもしれません」

つまり目に見えるマーカーが、やがて見えなくなり、さらにその先は仕組み自体も人間が意識せずに済む時代がくるらしい。

「いつかきっとARという言葉も失われ、だれもが意識せずに使うインフラになっていくでしょう。指をパチンとならす仕草で電気がついたり、自分が話す声に別の言語や他人の声を重ね合わせることもできるようになるはずです」

そ、それは…ほしい!! ちなみに川田さんいわく、近年ARが取りざたされるようになったのは必然なのだとか。というのもスマートフォンや通信技術の普及など、技術的な条件が揃うことで、実現されるべくして実現したというのだ。とすると、将来また一段高い条件がそろったなら…。今から未来が待ち遠しいではないか! 投稿募集はこちら 皆さんの投稿を募集中!

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