5分でわかるARの未来

第4回 まさにアニメのコックピット風景!? ARナビの未来がアツい!

2011.12.21 WED

5分でわかるARの未来


企画担当の古賀さんとヘッドアップディスプレイの試作機。「安全性や各車種に対する適合など、乗り越えなければならないハードルはたくさんあります。できるだけ多くの方に使ってもらえる製品になると嬉しいですね」

ドライバーの視界とARが完全にシンクロするヘッドアップディスプレイとは!?



HUDとはヘッドアップディスプレイの略で、人間の視界上に透明なディスプレイ(パネル)を設置し、そこに表示したデジタル情報を、目に映る景色に重ねて表示する技術のこと。「そんなことできるの?」と思ってしまうが、近い将来現実のものとなりそうだ。

「なんとかカタチにしたくて、長年にわたり研究を続けてきました。製品化もそう遠くはないと思います」 

と話すのが、HUDの企画を担当しているパイオニアの古賀哲郎さん。そこで、今回特別にデモ機を見せてもらった。運転席を模したドライビングシミュレーターに座った第一印象はとにかく「未来!」のひと言。目の前に広がる風景はまさに、SF映画やアニメの中で描かれた世界そのものではないですか!

運転席からの風景が前方の大型ビジョンに映され、フロントガラスとドライバーの間に透明のパネル(コンバイナー)が設置されている。そこに各種の情報がプロジェクション投影され、視界に重なるという仕組みだ。透明パネルの透過率は非常に高く、上空に矢印やルート情報が浮かんでいるように見える。そして特筆すべきは、実際には目の前で映し出されている映像が、遠くに大きく映し出されて見えることだ。
透明のコンバイナーに投影された各種の情報は、このように視界に溶け込んで表示される。これこそ究極のナビの姿といえるだろう
「視点の移動をしなくていいので、安全性にも寄与します。ハーフミラーにプロジェクタで映像を投影しているんですが、光源にレーザーを用いることにより高輝度、高コントラストを実現しているんです。焦点(ピント)を1.5〜2mくらい先に19インチ相当の大画面を浮かせるように表示させています」

人間の目は同じ視界に入っていても、距離によって焦点を調節してるので、手前に情報を重ねてしまうと、風景に焦点を戻す時に“時差”ができてしまう。なので、風景に近い焦点距離で情報を表示することで、その時差を少なくすることができるらしい。これなら、運転中にカーナビを見る動作を省けるうえ、より自然にナビ情報を視界に捕らえることができる。まさにドライバーにとって、理想のディスプレイといえるだろう。

「前例がまったくない未知の製品なので、開発にはいろんな苦労があります。たとえば晴天下とトンネル内では全く明るさが異なりますが、どんな環境下でも見やすくなければなりません。安全性にも十分に配慮する必要があります。ただ、未来のカーナビはこういったディスプレイになりうるものだと思います」


しかし僕らが気になるのは、やはりお値段…。

「う~ん…。開発段階ですので何とも申し上げられませんが、現実的にご検討頂ける値段にしたいと思っています(笑)」

今回の取材をするまでは、“AR”について、なんとなく新しい流行のITワードくらいに思っていたのだが、その可能性は懐が広く、本稿でも取り上げたように、すでにさまざまな分野で具体的な製品となって登場してきている。近い将来、間違いなくARは僕らの生活にイノベーションをもたらしてくれるキー・テクノロジーになるだろう。僕らの何がどんなふうに“拡張”されるのかを、ワクワクしながら待とうではないか! 投稿募集はこちら 皆さんの投稿を募集中!

右下の投稿ボタンから投稿してください。

取材協力・関連リンク

ブレイクフォト