低温じゃないのに冷たく感じる…

「冷感グッズ」ひんやりの仕組み

2012.07.05 THU


もう一つ、冷感グッズに多く含まれる成分として、“キシリトール”がある。こちらは水と反応して周囲の熱を奪う成分で、実際に体温を下げる効果がある
画像提供/AFLO
制汗スプレーに汗拭きシートなど、暑い日には重宝する、様々な冷感グッズ。使った時のスーッとした爽快感は、火照った体にとても心地よい。

しかし、冷感グッズ自体は冷えていないのに、なぜ冷たく感じるのだろう。体温を下げる成分でも入っているのだろうか。

「いえ、実際の体温は変わりません。実は、冷感グッズが引き起こす冷たい感覚は、『メントール』や『ユーカリプトール』など、植物由来の成分が引き起こす“勘違い”に過ぎないんです」

と答えてくれたのは、日本科学未来館の科学コミュニケーターの森田由子さん。確かに“メントール配合”などと書かれた冷感グッズは多い気がするが、あの感覚が勘違いだなんて信じがたい。どういう仕組みなの?

「多くの生き物は、皮膚の奥にある感覚神経が周囲の温度に応じて電気信号を発し、これを脳が感知することで、熱さや冷たさを感じています。ところが、メントールはこの神経細胞に作用することで、“冷たい”という信号を強制的に脳に送らせるのです」

つまり、現実の温度と無関係に“冷たい”という信号が脳へ送られ、冷感が生じるというワケ。実際の体温は下がっていなくても、体が涼しいと錯覚するため、汗が止まる効果もある。だが、それによって、逆に体温が上昇してしまう場合もあるので注意も必要だ。

では、本当に体を冷やしたい時はどうすればいいのだろうか? 生理学研究所の富永真琴さんに聞いてみた。

「体温を下げたいなら、首や脇の動脈付近を冷やしましょう。すぐに冷感を得たいなら、皮膚が薄く、神経も集中する顔や頭を冷やすのがおすすめです」

お手軽に涼感を味わえる冷感グッズ。だが、あの冷たさはあくまで“錯覚”。その特徴と効果をしっかり理解して、上手に活用したいところだ。
(森石豊/Office Ti+)


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