個人情報を狙うアプリが増加中

不正アプリから身を守るには?

2012.07.27 FRI


独自の審査によって不正アプリの流布を防いできたiPhoneでも、先日ついに個人情報を盗むアプリが発見された。もはや全スマホユーザーにとって他人事ではないのだ
今年4月、スマホのアドレス帳に登録されている電話番号やメールアドレスなどの個人情報を盗み出す悪質なAndroidアプリが国内で複数発見された。「the Movie」シリーズと呼ばれる問題のアプリ群は約30万回ダウンロードされ、およそ数百万人分の個人情報が盗まれた可能性があるという。ITセキュリティー大手のマカフィーによれば、スマホを狙った「不正アプリ」は今年の上四半期だけで8000件以上が確認されており、1年前と比べて10倍以上のペースで急増しているんだとか。

僕らの生活を便利にしてくれるスマホは、一方で使い込むほどに個人情報が蓄積されていくプライバシーの塊でもある。もしアドレス帳のデータを盗み出されてしまったら、一体どんなリスクがあるんだろう?

「最近の不正アプリは、表向きは普通のアプリとして機能しつつ、その裏でユーザーの個人情報を収集するタイプのものが増えています。収集された個人情報がどう使われるかはケースバイケースですが、わかりやすい例では違法な名簿業者に転売されたり、スパムの送信先リストに使われるといった被害が考えられますね。アドレス帳に登録されているデータとは、つまりは友人や知人の個人情報ということ。自分自身だけでなく、周囲の人に迷惑をかけてしまうおそれがあるんです」

と教えてくれたのは、情報通信技術やセキュリティーに詳しい経営コンサルタントのクロサカタツヤさんだ。そして実はこの問題、不正アプリだけにはとどまらないんだという。

「例えば、多くの人が使っている『LINE』や『Viber』といった人気の無料通話アプリも、ユーザー同士のマッチングのためにアドレス帳のデータを収集しています。これらのアプリがすぐに危険だというわけではないですが、結果的に自分以外の個人情報を相手の許可なく送信しているわけで、個人情報保護の観点から問題視する声も上がっているんです。今は業界全体でプライバシーよりも利便性が優先されている状態で、リスクを理解しないまま使っているユーザーが多いですね」

自分自身がそうしたアプリを使っていなくても、周囲の友達にユーザーが一人でもいれば、自分の個人情報もアプリ事業者に渡ってしまうわけか。困ったことではあるけど、それって自力じゃ避けようがないかも。

「政府や企業側でもアプリの安全性の確保について検討が始まっていますが、まだまだ整備が進んでおらず、ユーザー側にリスクを判断するリテラシーが求められているというのが現状です。個人でできる不正アプリ対策としては、やみくもにいろいろなアプリを使うのは避け、信頼できるメディアが紹介しているアプリを使ったり、提供元が信頼できるかを確認したり、プライバシーポリシーに目を通すなど、リスクを減らす行動を心がけるべきですね」

怪しげなアプリに騙されると、もはや自分一人だけの問題では済まない。ユーザー一人ひとりが不正アプリの実態を正しく知ることで、被害を減らしていくしかなさそうだ。
(呉 琢磨)

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