キーボードに筆跡鑑定!?

なりすまし防止のスゴイ認証ソフト

2012.08.19 SUN


キー入力の認証=キーストローク・ダイナミックスは、国内外で長く研究されてきたそうだが、定型文だけでなくどんな文字列でも認証できるシステムは世界初。『キータッチパス』の商用化に向けてさらに研究が進められており、今後も話題になりそうだ 写真提供/getty images
企業も個人も、情報管理が大切な時代。とはいえ、IDとパスワードでセキュリティは万全! というわけにはいかず、ネットオークションでは他人のIDを使った「なりすまし詐欺」なんてものも増えているそう。

そんななか、“PC版・筆跡鑑定”とも呼ぶべき、新たな生体認証システム『キータッチパス』が話題を呼んでいる。キーボード入力のクセから個人が識別できるそうで、識別率はなんとほぼ100%! このシステムを開発し、来年3月までの商用化を目指すNTTコミュニケーションズにお邪魔して、いち早く体験させてもらった。

まずはPCに専用ソフトをインストールし、1000文字程度の文章を入力。内容はなんでも構わないとのこと。この記事より少し多い程度の例文を打ち込み、これで登録は完了…って、これだけで個人が識別できちゃうんですか?

「キーを押し込んでいる時間と、次のキーを押すまでの時間は、人によって顕著な差が出るんです。文章を打っていただくことで、そのパターンを解析。そこで抽出されたキー入力の特徴が、弊社の認証サーバに送られます。その後は150文字入力するごとに、自動的に本人確認が行われる仕組みです」(NTTコミュニケーションズ 大塚謙さん)

考えてみれば、他人のタイピングを真似することは、筆跡を似せることより難しい気がする。大塚さんに筆者と似たような速度でタイピングしてもらったが、結果はもちろん「un normal」(認証できず)だった。

『キータッチパス』の試作品は実証実験として明治大学と北里大学のオンライン授業で利用されており、出席確認のほか、テストでの「なりすまし」や、安易なコピー&ペーストの防止にも役立っているのだとか。ほかにはどんなことに使えそうですか?

「Twitterやmixiの不正な改ざんや“なりすまし”防止から、金融システムにかかわるような重要度の高い認証まで、用途を拡大できたらと考えています。精度が高く、特別なデバイスが不要で、かつ一度登録すればその後は意識せずに本人確認ができるので、低コストでストレスなく利用できるのが強みですね」

キー入力の“クセ”という人間くさいものが、貴重なデータを守ってくれる時代が来るかも?
(安藤大智/blueprint)

※この記事は2010年09月に取材・掲載した記事です

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