専用のパッドに置くだけって…

ワイヤレス充電ってどんな仕組み?

2012.08.23 THU


携帯に充電器を差しこんで…みたいなことも、そのうちまったくなくなるのかも!? ちなみに、長距離のワイヤレス充電を可能にするマイクロ波やレーザーを使った充電方式も研究されているものの、実用化への道のりは遠いとのこと。まずは現行の方式の進化に期待しましょう
8月にNTTドコモから、世界初の“ワイヤレス充電”に対応したスマートフォン「AQUOS PHONE SH-13C」(SHARP)が発売された。電源と端子でつながなくても、専用のパッドの上に「置く」だけで充電ができる、とのことだけれど、一体どんな仕組みなの?

「ワイヤレス充電の方式はいくつかありますが、このスマートフォンには『電磁誘導方式』が使われています。送電側の機器に組み込まれたコイルに電流を流すことで磁束を生じさせ、それを受電側の機器のコイルに誘導して充電する……という仕組みで、“ワイヤレス”といっても両方の機器を密着させる必要があります」

そう教えてくれたのは、非接触電力伝送システムに詳しい東京大学大学院助教の居村岳広先生。電磁誘導方式は電力の利用効率が高く実用的なため、専門家の間では「2012~2013年には携帯電話の半数ほどの充電がワイヤレス化するのでは」という話も出ているほか、早期のノートパソコンへの転用も期待できるのだとか。

ワイヤレス充電がさらに進化すると、どんなことができるようになりそうですか?

「現在、研究が進んでいるのが、電力送信機と受信機の間で電界や磁界を共鳴させて、電力を送る『電界・磁界共鳴方式』というもので、進化すれば現在の『電磁誘導方式』よりずっと離れた場所に送電できるようになります。家の壁に電力送信機を埋め込むなどして、部屋のなかの家電にワイヤレスで送電する、という仕組みは実用に近づいています。私は電気自動車向けのワイヤレス充電を研究しているのですが、最終的には充電のために停車することなく、走りながら電力を得られるようにできればと考えています」

おお! それはスゴイですね。でも、送電できる距離が長くなると、ほかの人も勝手に電気を盗まれちゃいそうですけど、大丈夫なんですか?

「もちろんありえる話で、その点も課題です。おそらく、電波で個体を識別する『無線IDタグ』のような技術を使った認証形式になるのではないでしょうか。人体への影響も懸念されるポイントですが、法律で定められている値以下で電力伝送を行うことになるため、問題ありません」

コストの問題はあるものの、究極的には「家からコンセントがなくなる」ということも考えられるのだとか。複雑にこんがらがったコードに煩わされることもなくなるかも?
(月川碧/blueprint)

※この記事は2011年09月に取材・掲載した記事です

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