じめじめ天気の下ふと思う…

ブルーチーズのカビが食べられる理由

2012.11.22 THU


ブルーチーズに繁殖するペニシリウム・ロックフォルティ 写真提供/国立科学博物館
じめじめし始めると、気になってくる「カビ」の存在。楽しみにしていた食べ物にカビが生えて、泣く泣くゴミ箱行きに…なんて経験がある人も多いのでは?

ただ、日常では厄介者扱いされる「カビ」であっても、アオカビが生えた「ブルーチーズ」はフレンチやイタリアンの人気者。そもそもブルーチーズのカビは、なぜ食べられるのだろうか? 国立科学博物館植物研究部菌類・藻類研究グループの細矢剛さんに聞いてみた。

「世界三大ブルーチーズの一つといわれる『ロックフォールチーズ』は、ペニシリウム・ロックフォルティというアオカビの一種によって熟成されています。食用となっているこのカビは、毒性がないので人間に害はありません」

ということは、同じアオカビでも“食べられるアオカビ”と“食べられないアオカビ”があるってことですか?

「そうです。一口にアオカビといっても約300種類はあり、毒性があるものもないものもあります。『アオカビだから食べられる』『アカカビだから食べられない』といった分け方はできないんです」

なるほど。では、ほかにはどんなカビが食べられるんでしょう?

「コウジカビの一種は味噌や甘酒に使われ、ベニコウジカビは“豆腐よう”を作るのに使われます。イギリスでは、フザリウムというカビを培養し、抽出したタンパク質を加工した食品が売られていますよ」

そんなに食べられるカビがあるのなら、自宅に生えちゃったカビのなかにも食べられるものもあるのでは?

「ペニシリウム・ロックフォルティは自然環境でもよく発生するカビの一種で、特に冷蔵庫のような冷暗所を好みます。チーズを冷蔵庫に入れておけばブルーチーズ化する可能性はありますね。でも正しい作り方でなければ、食べない方がよいでしょう」

現在食用に使われるカビのほとんどは改良・培養されているもので、自然発生するカビは“体に害はないが味が悪い”ものを含め「食べられないカビ」が圧倒的に多いそう。なかには自然界最強の発がん性物質を作ってしまう種類もあるので、くれぐれも試したりはしないでくださいね!
(アート・サプライ/佐々木彩夏)

※この記事は2010年05月に取材・掲載した記事です

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