スマホ文字入力の超未来的テクノロジー登場

入力時だけ浮き出るスマホ文字キー

2012.09.21 FRI


Tactile Layer を紹介するTactus Technology社の公式ホームページ。同社は2008年に立ち上げられたITベンチャー企業だ ※この画像はサイトのスクリーンショットです
スマホに買い替えてはや1年数カ月。フリック入力にもすっかり慣れたつもりで指先を華麗にすべらせ、「じゃあまたね~」と打ったつもりが、「しゃあめてね~」と少しずつズレていた…なんてトホホな体験はないだろうか?

タッチスクリーンでの文字入力にも慣れの要素は大きく、文字配列もけっこう体で憶えてしまえるもの。だが、それでもやはり指先からのフィードバックがないことは大きなデメリットだ。物理キーボードを搭載したパソコンや従来の携帯電話ならブラインドタッチもしやすいが、タッチスクリーンではどうしても先に述べたような入力間違いが起こりがち。

そんな悩みを手っ取り早く解決する方法として、iPhoneの液晶保護フィルムにいぼいぼの突起をつけたQwik-keyzというアイデア製品も登場しているが、文字入力をしない時には“いぼいぼ”が閲覧の邪魔になるのが悩みの種。何度も貼り直しはできるものの、長文メールを打つたびに保護フィルムを貼り替えるのは、さすがに煩雑すぎて現実的ではない。

ところが、そうした悩みを一挙に解決する新技術が、アメリカのTactus Technologyという企業によって2013年半ばに製品化される見込みだという。なんと、タッチスクリーンの文字キー部分が入力時だけ瞬時に盛り上がって物理キーボードになり、使用後はまた瞬時に引っ込むというのだ。

ホントに?と聞き返したくなるが、ウソでもドッキリでもない。Tactile Layerと名付けられたこの新技術は、薄型透明のシートにマイクロ流体技術を利用したもの。ソフトキーボードの文字キーが表示される部分にあらかじめ流路を設定し、そこに特殊な液体を流し込むことで入力時だけ瞬時に盛り上げ、解除後には平坦に戻すという。ごく大ざっぱにたとえれば、空気で膨らませる人形の鼻や耳が飛び出るしくみのようなもの。だから技術的にはそれほど突飛なものではないし、実現へのハードルも素人目に映るほど高くはないのだという。

このTactile Layer、薄さも従来の液晶保護ガラスと変わらず、端末が分厚くなることもない。しかも、電力消費も微々たるもので、1日100回使ってもバッテリーの1%を消費するかどうかというレベル。

この技術が普及すれば、少なくとも大画面のタブレットでは“キーボードが最初からついている”のとほぼ変わらない状態になる。ノートパソコンというジャンルそのものの存続にも影響するかもしれない。

ただ、注意が必要なのは、これはあくまでソフトキーボード用で、日本人の多くが用いているフリック入力には使えないということだ。フリック入力にも指先からのフィードバックを求めるなら、画面の一部をピンポイントで振動させる技術が必要になる。その実現に必要な技術的ハードルは、さすがにまだ高いようだ。
(待兼 音二郎)

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