どこまで成長する?

ダイオウイカ 巨大化の可能性は?

2013.08.24 SAT


「撮影に成功し、ソデイカに食いついたダイオウイカの眼を見た時は、あれだけ大きな眼ですから、向こうもこちらを見ているように感じ、『あいつも何か考えているのかも』と思いました。もちろん、本当のところは分かりませんが」(窪寺先生) Detroit Free Press/Getty Images
先日、NHKで放送されたダイオウイカの姿を見て、その大きさに驚いた人も多いはず。いったいどこまで成長し、大きくなるのだろう? 世界で初めて生きたダイオウイカの姿をとらえた、海洋生物学者の窪寺恒己先生に聞いてみた。まず気になる、最大サイズは…?

「1888年に全長18mという巨大なダイオウイカが見つかったという記録が残されていますが、ただこれは確証となる資料に乏しく…。私は、1966年に大西洋のバハマ沖で捕獲された全長14.3mのダイオウイカがおそらく最大サイズだと思いますね。触腕(長い2本の腕)を除いた体長は7m、外とう膜(胴)の長さは3mほどです。それでもダイオウイカが、無脊椎動物のなかで最大級の生き物であることは疑いありません」

14.3mというと、マンションの5・6階相当の大きさだ。ここまで大きなダイオウイカ、やはり育つのにも月日がかかるものなのだろうか?

「正確な数値はいまだ判明していませんが、推測はされています。イカ類は頭部に平衡嚢という器官があり、そのなかに『平衡石』といいうカルシウムでできた石が入っています。それを磨くと、木の年輪のようなリングが現れ、その本数を数えることで年齢を測ることができます。スルメイカの場合は、1日に1本リングが現れます。ではダイオウイカの場合はどうか。ある人が、40cmほどの外とう膜を持つダイオウイカの平衡石を磨いたところ、リングが300本近くあることが分かりました。そこから計算すると、だいたい1日に7mmくらいずつ大きくなり、3年ほどで全長14mまで育ちきると考えられます。ただ、本当のところは分かりません。というのも、ダイオウイカのリングが1日1本できるかどうか、誰も知らないのですから」

えっ、3年であんなに大きくなるの!? 成長早い! となると、それから何歳くらいまで生きるのだろう?

「イカ・タコは、魚と違い、成長期と産卵期が1回ずつしかありません。卵から孵化し、どんどん大きくなって、成熟して卵を産んだら、オスもメスも死んでしまうんです。たとえばスルメイカは、生後1年で体長30cmくらいまで育ち、卵を産んで死にます。だからスルメイカの寿命は1年。ダイオウイカも同じように、体長7mくらいまで育って成熟すると、卵を産んで死ぬと考えられます。したがって寿命もおよそ3年ではないかと」

3年で死んじゃうの!? ちなみに「なぜあんなに大きく成長するのか?」、その理由はというと、窪寺先生は「深海の環境が影響しているのでは?」と考えているそう。深海には岩礁のような逃げられる場所がなく、捕食者からいかにして逃げるかが問題になる。ダイオウイカの場合は、「捕食者のサイズよりも大きく成長することで、食べられる危険を防いでいるのでは?」とのことだ。そう考えると、成長が早いのも納得。それにしても3年というのは…早過ぎなイカ!?

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