好き嫌いの多い人の言い訳…か?

偏食家は「スーパーテイスター」?

2013.11.11 MON


「日本人の味覚が鋭い背景には、“だし”を使った食文化があります。初めてだしをとったとされるのは1万4000年前の縄文時代。日本人の味覚は長い時間をかけ、だしの旨味によって鍛えられてきたといえるのかも」(鈴木さん) 画像/PIXTA
「スーパーテイスター」という言葉を聞いたことはあるだろうか? なにやら味に関係ある言葉らしいが、スーパーテイスターとはいったいどんな人のこと? 味覚分析会社AISSYの代表で「味博士」の鈴木隆一さんに聞いてみた。

「味覚が通常よりも格段に鋭い人のことを、俗に『スーパーテイスター』と呼ぶことがあります。味覚は甘味・塩味・酸味・苦味・旨味という5つの基本味(きほんみ)で構成されていますが、“スーパーテイスター”と呼ばれる人たちは、特に甘味・苦味・旨味を鋭く感じるケースが目立ちます」

鈴木さんによれば、苦い食べ物を敏感に感じる結果、スーパーテイスターは好き嫌いが多く、偏食になってしまうこともあるという。特に苦味の強いコーヒーは、ブラックでは飲めない人も多いのだとか。

実は、エール大学のBartoshuk教授らによって1994年に発表されたスーパーテイスターについての論文は、学術的にはまだハッキリと認められていない。とはいえ、通常よりも鋭い味覚を持つ人は確かに存在しており、論文ではアメリカ人の約25%がスーパーテイスターであるとされている。日本人に関するデータはまだないものの、日本人のスーパーテイスターの割合はアメリカより多い可能性がある、と鈴木さん。

「“旨味”という概念を発見したのが日本人であることからもわかる通り、日本人の味覚は世界的に見てもかなり鋭い方だといえるでしょう。同じアジアのタイ人と比べた場合でも、タイ人は15%程度しかわからなかった砂糖水を、日本人の30%が認識できたという研究結果もあります」

自分の味覚がスーパーテイスター並みに鋭いかどうかは、この砂糖水を用いた方法で判別できるそう。砂糖3gを500mlの水に入れ砂糖水を作り、ただの水との区別がつけば、日本人の上位30%に入るレベルの鋭い味覚を持っているということになるという。

ちなみに、判別ができない人も、この砂糖水を用いた方法を繰り返して甘味を感じられるよう特訓したり、普段の食事を薄味に変えてよく味わうようにすることで、味覚を鍛えることができる。反対に、今はスーパーテイスター並みの鋭い味覚を持っていても、日常的に濃い味に慣れてしまうと味覚は鈍化していくのだとか。

つまり、スーパーテイスターの人でも体質を変えられる可能性があるということ。味覚が鋭敏すぎて好き嫌いが多いという人も、嫌いな食べ物に徐々に慣れていけば、偏食の克服は夢じゃないかも?

(有栖川匠)

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