バラバラだった算出法に、ようやく統一基準が…

携帯「人口カバー率」ホントの意味

2014.03.28 FRI


わずか1年で実人口カバー率を3ポイントも挙げたau。日本全体でみれば、上の白地部分はまだLTEが繋がらないものの、1年前と比べればかなりのエリアでLTEが繋がるようになったことがわかる。
3月20日、KDDIは800MHz帯の4G LTEにおいて、実人口カバー率99.0%を達成したと発表した。すでに2013年12月末時点には98.7%を実現していたが、以前から3月末に99%達成を目指していることを予告しており、“公約”が実現した形だ。

しかし、この数字を耳にして、「日本の99%でLTEが通じるなんてホント? この前旅行 に行ったときは圏外のエリアもあったぞ!」なんてクビを傾げる人もいるかもしれない。それもそのはず、通信各社が発表する「カバー率」は独自基準に基づく計測結果であり、厳密な意味で「日本人口の99%≒1億2602万人」をカバーしているわけではない。

しかもNTTドコモ(LTE Xi)は98% 、ソフトバンクモバイル(4G LTE)は92%と、いずれも100%に近い数値を発表しているが、「カバー率」の算出法は各社によって違いがある。仮に100%だとしても、“日本全土で通じる”わけではないのだ。各社の「カバー率」算出方法を見ると、その理由が良くわかる。

●NTTドコモの場合…「人口カバー率」
総務省の定めた「市・特別区役所、町村役場、およびそれらの支所で通信できること」という定義に基づき、各所で通信が確認できれば、その支所のある市町村全域が「圏内」ということになる。

●au、ソフトバンクモバイルの場合…「実人口カバー率」
全国を500m四方でメッシュ状にエリア区分。各エリアで通信が確認できれば「圏内」と考え、【圏内エリア人口/総人口】の割合から算出する。ただし、各エリア内のどの程度の範囲で通信が確認できれば「圏内」と考えるか、2社の判定基準は異なるといわれている。

このように、3社基準がそれぞれ異なるため、一概に比較することは難しい。ただ、 それでは問題があるとして、電気通信サービス向上推進協議会は「CS適正化イニシアティブの提言」を発表。具体的な取り組みとして、人口カバー率算定方法の「500mメッシュ」方式への統一や、実行速度表示の検討などを挙げている。 総務省は2015年度より、これらの自主的取り組みの徹底を各通信会社に要請。実施時期は、4月~6月を予定する。

ただし、誤解がないようお伝えしておくと、現在各社が発表している数値にも信憑性がないわけではない。たとえばauは、昨年末98.7%だったカバー率を99.0%に引き上げるべく、LTE網が未整備だった北大東島や南大東島など、沖縄の離島へ基地局設置を行っている。こうした努力が実って、今回の“99%達成”となったわけだ。各社ともカバー率向上にしのぎを削っている今、統一基準で比較できるようになったとき、各社の実力差はどれくらい浮き彫りになるのか?真の実力に注目だ。(山田 登/考務店)

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