購入したはずなのに、僕のものじゃない?

消える「電子書籍」トラブルが増加

2014.12.17 WED


現状では、サービス元により提供の形態が異なりがちな電子書籍。その互換性のなさも、トラブルの一因になっている。
近年、本の新たなスタイルとして定着してきた「電子書籍」。紙の書籍よりもかさ張らないことや、安価なことが魅力だが、一方で「購入した電子書籍が、ある日を境に読めなくなってしまう」というトラブルが出てきている。

「件数として出せる段階ではないものの、そのようなトラブルに対する消費者からの相談は多くなっています」と語るのは、国民生活センターの遠藤陽介さん。一体どのような理由で起きているのだろうか。

「具体例として多いのは、電子書籍を購入したストアがサービスを終了し、読めなくなってしまったケース。電子書籍の中には、購入しても本のデータそのものを所有できるわけではなく、あくまで『データを利用する権利』を買っている場合があります。そうなると、データの配信元が消滅したときは、自分が買った権利も消えてしまうんです」

つまり、紙の書籍と電子書籍では、買っているモノがまったく異なっているかもしれないというわけだ。

「現在いろいろな企業が電子書籍に参入していますが、この分野はまだ黎明期。これから淘汰されていくと、サービスを停止する企業が出てくるかもしれません。そうなると、このようなトラブルは今後さらに増えるでしょう」

購入した電子書籍が読めなくなるケースは、ほかにもあるようだ。

「スマートフォンなどのアプリで電子書籍を購入した場合、端末のOSをアップデートした際にアプリとの互換性がなくなることがあります」

アプリが使えなくなれば、当然、購入した電子書籍も読めなくなってしまう。さらに、電子書籍を読む端末が故障した場合も、その端末にダウンロードしたデータを読めなくなる可能性が…。では、これらのトラブルが起きた時、どうすればいいのだろうか?

「現在は残念ながら、これらのトラブルについて有効な対処法はなく、消費者はそれを理解したうえで使うしかありません。利用規約には、こういったトラブルの可能性も書かれているケースが多いものの、すべてに目を通すのは大変ですよね。『機種変更したらどうなるか』『端末が壊れたらデータ復元できるか』といった情報だけでも確認しておいたほうがいいでしょう」

便利で安価な電子書籍であるが、こういったリスクもあるのが事実。利用する際は、そのあたりをきちんと確認しておいた方がよさそうだ。

(有井太郎)

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