CGで江戸城天守閣を再現!お江戸の町並みが蘇る

スマートグラスでAR旅ツアー登場

2015.01.17 SAT


写真は復元された江戸城天守閣。都内発着で皇居東御苑~日本橋~スカイツリーを巡る。スマートグラスはエプソンのモベリオを使用。日本橋のCGはフジテレビが提供している。ツアーの実施は2月を予定。料金は1万2000円 写真提供:近畿日本ツーリスト
旧所名跡を巡り、歴史に思いを馳せるのは旅の醍醐味のひとつ。最近はテクノロジーの進化で、在りし日の姿を眼前に“再現”して楽しませてくれる観光ツアーがあるという。

近畿日本ツーリストが販売する「スマートツーリズム ウェアラブル眼鏡でリアル体感! 江戸城天守閣と日本橋復元3Dツアー」は、“現実”に“仮想”の世界を融合するAR観光ツアーだ。見ている風景に情報を重ねられるスマートグラス(眼鏡型のウェアラブル端末)で、土台だけが残る江戸城跡に当時の天守閣や江戸の町並みを再現。日本橋では江戸時代の橋や町人が往来する賑わいが体感できる。

「現実の風景にCGで作成した江戸時代の映像を合成しています。360度パノラマ3Dなので、どこを向いても江戸の景色。その場の風や匂いなどの空気感とともに昔の姿を見られるので、高い没入感を得ることができます」と教えてくれたのは、近畿日本ツーリストの未来創造室で課長を務める波多野貞之さん。

「そのほか、天気が悪い、季節外れ…などの理由で、ベストな状況を楽しめない場合は、スマートグラスで最高の状態を再現して楽しんでいただく、といった使い方もできます」

なんとも旅の未来を感じさせるシステムだ。

さらに「私たちは2020年を目処に、最先端の情報通信機器(スマートデバイス)を活用した次世代の旅行“スマートツーリズム”のさらなる普及を考えています」と波多野さん。なんでも「スマートツーリズム」の可能性は、仮想と現実の融合だけではないという。

「今回の『江戸城天守閣と日本橋復元3Dツアー』では、映像以外にスマートグラスで英語解説を聞くことも可能。これは東京オリンピックで来日する外国人観光客への言語対応を見据えた取り組みの一環です。将来的には、もっと多くの言語に対応したいと考えています」

外国語対応のみならず、スマートグラスでは様々な音声解説を提供したり、図表や写真などを映し出したりすることも可能。現地で観光しながら、博物館などで見た資料や写真をその場で確認できるようになるかもしれないという。

「旧跡を観光資源として活かしたい自治体からの問い合わせが多いですね。国内でうまくいけば、海外での展開も考えられます。そうなると、環境や文化財を損なわない“サスティナブル(持続可能な)ツーリズム”にも一役買えるでしょう。世界遺産に登録されている場所などでも、スマートグラスを使えば、その場所を保護しながら観光ができるようになります」

もちろん、理想の実現にはハードルもある。一番のポイントはやはりCGなどの制作費だという。

「現在は既に制作されているCGなどを利用していますが、技術が進んで格安で映像が作れるようになれば、旅行の概念が変わるでしょう。たとえば遠出ができない人も、スマートグラスを使って仮想旅行ができるかもしれません。歩くことが困難な人に向けて、スマートグラスとセグウェイのようなスマートモビリティを組み合わせた企画も検討しています」

「個人的には、ローマのコロッセオでスマートグラスをかけたら、グラディエーターの闘いが見られる、なんてツアーに参加したいですね」と語る波多野さん。現地でしか得られない空気感と密度の濃い情報の融合が、近い未来の観光旅行の定番になるかもしれない。

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