最終的に責任を問われるのは利用者?

「ロボット事故」の責任は製造者?

2015.02.12 THU


自動運転カーでもブレーキがなくならないなら、それはドライバーの責任なのか。それとも製造会社の責任なのか…。今後議論が必要な分野だ イラスト/大塚ミチコ
いかに高性能なロボットといえど、時にバグを起こす可能性が全くないとは言い切れない。問題は誤作動などにより、事故が発生してしまったとき。たとえば、自動運転カーが交通事故を起こしたケースなどでは、誰が責任を負うべきなのか?

「バグによって事故が起こった場合、現行の法律に照らせば『製造者責任』ということで、おそらく製造したメーカーが責任を負うことになるのだろうと思います。ただ、今後ロボット技術がさらに発展していけば、そうした責任の所在を含めた法整備も必要になっていくでしょう」

と語るのは、グランドデザイン株式会社代表で、アントレプレナーとしてロボットベンチャーにも携わる小川和也氏。

この点は、人工知能学会会長の松原 仁氏も同意見。法律を含めた社会的な制度や、ロボットに対する人々の認識を改めていく必要があると語る。

「自動運転カー以外にも、たとえば家庭用ロボットが子どもにケガをさせてしまうといったケースも考えられます。そうした場合、すべてが製造者責任ということになると企業側にとっては大きなリスクですし、ロボットもなかなか普及していきません。自動車もそうですが便利な反面、事故のリスクは常につきまとう。それでもマイカーがこれだけ普及したのは、免許制度を設け『安全に使いましょう』という社会的なコンセンサスがあったからです。ロボットも同じように、製造者がある程度の安全ラインを守っていれば、その後は操作した人が責任を負うという判断が必要になるかもしれません。人工知能学会でも委員会を立ち上げ、法律の専門家を交えた議論や意見交換をしているところです。いずれは具体的な法整備についても、国に働きかけていく必要があると思います」(松原氏)

一方、千葉工業大学未来ロボット技術研究センター所長の古田貴之氏は、ロボットがいかに進歩しても、最後は“人の手に委ねる余地”を残すことが重要であるという。

「仮にこの先、自動運転で完璧に障害物を認識し、回避できる技術が確立したとしましょう。ゆくゆくは自動ブレーキがさらに進化し、あらゆる危険をほぼ100%察知して、勝手に停まってくれるようになるかもしれません。しかし、それでも車からブレーキがなくなるということは考えられません。それは、やはり最後の判断は人の手に委ねる必要があるからです。どんなに技術が発達したとしても、最終的に責任をとるのはそれを扱う人間なんです」

この先、ロボットはあらゆるシーンに登場し、我々の生活を劇的に進化させるかもしれない。しかし、あくまでその手綱をとるのは人間。そんな心がけが、近未来のロボット社会を生きる我々には必要なのかもしれない。

(榎並紀行/やじろべえ)

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