スマホ事件簿

若者世代、スマホは「脳の一部」?

2015.07.25 SAT


地図を覚えなくなった人も多いのでは?
固定電話を使っていた時は、友人や勤務先、取引先などよく使う電話番号を覚えていたものの、携帯電話を持つようになり、今では親兄弟の番号すら覚えていない…という人は、多いはず。実際、イギリスのサイバーセキュリティ会社、カスペルスキー・ラボの調査では、今まで記憶できたことを、現在ではスマホに頼りすぎて記憶できない、“デジタル記憶喪失”になっている人が多いことが明らかになったという。

同社が16歳から55歳までの男女1000人を対象に調査を行った結果、44%が“記憶すべきこと”までも「スマホに頼っている」と回答。スマホなしで思い出すことができる番号について、「重要な人の番号」は69.7%の人が覚えていると回答したが、「子供の番号」は34.5%、「勤務先の番号」は45.4%にとどまった。

カスペルスキーの調査員たちは、この現象を“デジタル記憶喪失”と指摘。性別に関係なく、どの世代にも見られるという。ただ16~24歳にフォーカスすると、この世代はスマホを“記憶を保存しておく場所”と考えていることも明らかになり、研究では、「だからこそ、若者はスマホをなくすと自分の体の一部がなくなったかのようにパニックに陥る」と分析している。なお、調査では91.2%の人が、「インターネットを自分の脳の延長として使用している」と認識していることもわかっている。

ネットやスマホを日常的に利用するデジタル時代、記憶力が低下する現象はほかにも「デジタル認知症」「デジタル健忘症」などといわれており、ツイッター上にも、

「自分の番号と、実家の番号しか覚えてない」

「二台持ちしてる内の一つの番号でさえ未だに覚えていないw」

「自分の番号すら危うい」

「デジタル記憶喪失に悩まされるわ~ なんともならんな~」

「ハイテクになればなるほど人間の能力は落ちてくのな、いややな」

と、「確かに電話番号は覚えていない」という声とともに、現状を危惧するコメントが多数上がっている。ただ一方で、

「携帯電話が発達した今となっては基本的に記憶する必要性がないっていう」

「電話番号が覚えるものじゃなくなったって事じゃない?必要なら覚えるでしょ。事務職の人なんか暗記しないと仕事にならないでしょ?」

と、調査結果について、電話番号がさして重要ではなくなったことが要因、という意見や、

「マクルーハン(※メディア論で知られる文明批評家)が、メディアは身体の拡張って言ってるじゃない」

「つーか、電話帳あるしそこからかければいいじゃん。覚えるとか脳の容量勿体ない」

など、機能が代替されたことを肯定的にみるべき、という意見も。

記憶力低下など、悲嘆する面はあれども、優秀な外部デバイスによって、人間の記憶力に関する考え方に変化が生じていることは間違いないよう。余った“脳の容量”で新しい何かが生み出されるようになればいいのだが…。

(花賀太)

【関連リンク】

■Is your smartphone wrecking your memory?-FORTUNE

http://fortune.com/2015/07/21/smartphone-memory/

■THE RISE AND IMPACT OF DIGITAL AMNESIA

https://kasperskycontenthub.com/usa/files/2015/06/Digital-Amnesia-Report.pdf

記事提供/『R25スマホ情報局』

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