「世界を変えるアイデア」は渋谷でカタチにする!

PAAK発!「イノベーションの芽」

2015.09.02 WED


「TECH LAB PAAK」にて開催された、会員による成果発表イベントでは22チームが熱のこもったプレゼンテーションを行った。写真は表彰式の様子。
リクルートホールディングスが運営する会員制コミュニティスペース「TECH LAB PAAK」(テック・ラボ・パーク)。昨年11月、社会課題を解決するためのオープン・イノベーション活動を支援する、ITクリエイターのための交流・開発ベースとして東京渋谷にオープン。審査をパスして会員になれば、Wi-Fiや大型ディスプレイ、技術書や各種デバイスまで揃う至れり尽くせりの環境が無料で使い放題とあって、注目を集めた。

そもそも「TECH LAB PAAK」の設立目的は、10年前から“オープン・イノベーション”を掲げるリクルートが、同社の持つアセットを才気あふれるITクリエイターにシェアすること。充実の開発環境に加え、業界のトップを走るメンターによる学びの機会、さらには高度なスキルや革新的なアイデアを持つ会員同士の出会いを創出することでシナジーを起こし、社会を変えるようなサービスやプロダクトを生み出す狙いがある。

はたしてその狙いはどのような形で結実したのか? 半年間の利用期間を経て8月30日に“卒業”した第一期生の卒業イベントを取材した。そこで披露された会員一人ひとりの“成果”はどれも革新的で、社会に大きなインパクトを与えそうなものばかり。近い将来、世に新しい価値を生み出しそうな「イノベーションの芽」が数多く見受けられた。特にオーディエンスからの支持を集めたプロジェクトを3つほど紹介しよう。

1)プロジェクト名「Coaido」/ 発表者:玄正 慎氏
心停止の現場に救助者を速やかに呼ぶことで、応急処置の遅れを防ぐアプリ「AED SOS」を開発。街中で心肺停止者に遭遇した際、アプリを使ってSOSを発信すると、半径300m内にいる消防士や医療関係者などにPush通知が届く。救助者が通知からアプリを起動するとMAPが立ち上がり、SOS発信者と自分の位置、付近にあるAEDの場所を表示してくれるという仕組みだ。現在、京都大学と共同で開発を進め、今秋には愛知県尾張旭市でシステム導入の実証実験を行う。

2)プロジェクト名「Chef’s Hippocampus」/ 発表者:喜多 唯氏
コンピューターが食材を組み合わせ、これまでにないレシピを作るプロジェクト。インターネット上のレシピサイトから得た情報をもとに、無数の食材の組み合わせをコンピューターが解析。食材ごとの相性をマッピングしていくことで「斬新かつ、おいしいレシピ」を発見できるのだとか。喜多氏がこの仕組みによって発見した「エビ×オレンジ×カシューナッツ×チーズ」を組み合わせた挑戦的な料理は、実際においしかったという。

3)プロジェクト名「Deploygate」/ 発表者:藤崎友樹氏
iOS、Androidアプリ向けのテスト配信サービス。App StoreやGoogle Playなどのアプリストアを経由せずにアプリを配布できるサービスで、正式リリース前に複数人で操作感をテストしたり、インストール数や利用状況をモニタリングできる。3月30日に法人向けサービスをローンチするや、大手企業や名だたるスタートアップの開発チームが利用。事業はすでに黒字化しているという。なお、この日のプレゼンが「Media Technology Lab.賞」を受賞し、さらに半年間の会員継続が決まった。


ビジネスとして大きく発展させることを目論む人、社会課題を解決したいと使命感に燃える人、ゆる~くおもしろいことを世に広めたい人、目指す方向性は違っても「豊かな社会をつくる」という目的意識は共通している。志を同じくする仲間との日々はかなり刺激的だったようで、この場を去ることについて寂しさをにじませる登壇者も多かった。

一期生とともに歩んだ半年間について、審査員を務めたMedia Technology Lab.室長の麻生要一氏は次のように振り返る。

「半年前のスタート時、TECH LAB PAAKは世界をもっとよくするイノベーションの場である、と言いました。その目論見通り、ここで多くの出会いが生まれ、新しい知識を獲得したり、新しいプロジェクトが始まったりと、様々な動きが見られました。でも僕としては、会員にはもっと図々しく、色々と要望してきてほしいという思いもあります。せっかくこういう場所があるのだから『誰々を紹介してくれ』とか『何々を見学させてくれ』とか、遠慮なくぶつけてもらっていい。もちろん無理なことも多いと思うけど、これから入ってくる会員には『リクルートをとことん利用してやる』くらいの気持ちで臨んでほしいですね」

この日は、一期生の卒業と同時に三期生の募集も発表された。募集期間は2015年9月16日23:59まで。「世界を変える」アイデアが、この場所でなら具現化できるかもしれない。
(榎並紀行/やじろべえ)

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