「読む権利を買う」の弱点を実感

「アマゾン読み放題」一部タイトル削除、落胆広がる

2016.09.04 SUN

噂のネット事件簿


人気タイトルがラインナップから外れてしまったアマゾンの読み放題サービス ※この画像はサイトのスクリーンショットです
アマゾンジャパンが提供している電子書籍読み放題サービス「Kindle Unlimited」から、一部の人気タイトルがラインナップから外れる現象が発生し、波紋を呼んでいる。

月980円で、洋書120万冊のほか、国内の小説や雑誌、漫画など12万冊が電子書籍として読み放題となる「Kindle Unlimited」。8月3日にサービスがスタートしたが、1週間ほどすると漫画や写真集などの人気タイトルが削除され始めた。

朝日新聞デジタルが報じたところによると、アマゾンは出版社に対し、ダウンロード数に応じて利用料の一部を配分する契約を結んでいたという。さらに、ラインナップの充実を図るため、一部の出版社に対しては年内に限り配分を上乗せする契約を結び、タイトルの提供を求めていたとのこと。しかし、サービスが始まると、想定を上回るダウンロードがあり、出版社へ支払う予算が不足したため、人気タイトルがラインナップから外れるという事態になったようだ。

定額利用サービスだけに、読もうと思っていた書籍が契約後になくなるのはユーザーとしてはかなり痛手となる。人気タイトルが消えてしまう事態にネットユーザーも驚き、ツイッターでは、

「これは、ヤバイな。モデルとしては面白いかも知れないけど、音楽みたいにはいかないわな。どう考えても。うん。立ち方間違えるとかなりやばいかもね」
「サブスクリプション(編集註:定期購入のこと)失敗例か。だけど人気なコンテンツ外したら後々回収出来るもんもダメにならんか?」
「本末転倒だなー。本の数減らすぐらいなら一ヶ月で読める数に制限つけた方がマシでは?」

など、ビジネスモデルの失敗として落胆の声があがっている。また、

「アマゾン読み放題サービスの人気作品配信停止問題、電子書籍の弱点の象徴のような出来事だ。物じゃなく読む権利を買うってことはいつ権利を剥奪されても文句を言えないってことなんだよな」
「供給する側のさじ加減でサービスの内容が変わるから電子書籍は普及しない…と思う」

と、現物が手元にあるわけではないので、運営サイドの意向次第でアクセスできなくなる可能性がある電子書籍の弱点を改めて実感するネットユーザーも多かった。

人気が高すぎたがゆえにサービスを提供できなくなったという今回のケース。今後の定額サービスにとって、大きな教訓となったかもしれない。
(小浦大生)

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