「PSVR」vs.「Oculus Rift」vs.「HTC Vive」…

群雄割拠のハイエンドVR端末!はたして勝者は…?

2016.09.27 TUE

仕事からムフフまで VRで変わる僕の日常


ハイエンドなVRガジェットは、誰もがアッと驚く強烈な体験を提供してくれる。購入するつもりがなくても、店頭などでぜひ一度試してほしい
今年の東京ゲームショウには専門のエリアが用意されるなど、VRはコンテンツ業界の一大トレンドとなりつつある。実際、手持ちのスマホを利用して手軽に楽しめるものから、ハイエンドのものまで、ガジェットも数多くリリースされている。では、とりわけ市場を牽引する可能性を秘めたハイエンド端末が、どれだけ圧倒的なVR体験を提供してくれるのか――実際の使用感を踏まえてレポートしよう。

PlayStation VR

VR普及の鍵を握る安価で高性能なSONYの「PlayStation VR」


まずは展示体験イベントで使用する機会を得た、SONYの「PlayStation VR」(4万8578円~)。頭からすっぽりとヘッドギアをかぶり、ゴーグルの筐体を前後にスライドさせてピントが合う場所で固定…するのだが、筆者の場合は強いコンタクトをかけていることが災いしてか、せっかくアジャストした位置でも固定すると焦点がわずかにずれ、ピンぼけした像になってしまった。ピント合わせの難しさはネット上での体験レビューでも多く散見されるので、発売前の改善を望みたいところだ。

肝心のVR体験はというと、本体を手で押さえてピントを合わせながらの試遊だったが、息を吞むようなゲーム体験だった。プレイしたミニゲームは、巨大怪獣となり自分の首の振りに合わせて街を破壊していく「THE PLAYROOM VR」なるもの。その追従性は見事で、タイムラグなしにCGが動くので本当に自分が巨大怪獣になったかのような錯覚に陥る。だが美麗なCGとは裏腹に、1920×1080ドットのOLEDディスプレイは多少解像度が低いことが気になるところ。ほんのりモヤがかかったようになる視界のせいで、「目の前はほとんど現実の視界」と錯覚できることは難しいように思う。いずれにせよ、9月24日に行われた発売前の最後の購入予約もほぼ“瞬殺”。発売日の10月13日には、VR旋風が巻き起こることだろう。

他方、PCなどをプラットフォームにハイエンドVR市場を牽引してきたのが、「Oculus Rift」と「HTC Vive」だ。
Oculus Rift

キックスターターから誕生し、VRムーブメントの口火を切った「Oculus Rift」


「Oculus Rift」(8万3800円 ※日本への送料別途)はベンチャー企業のOculusがキックスターターで出資を募って誕生した異色のデバイス。2016年3月28日に発売され、PCに加え「Xbox One」「Steam」との接続が可能だ。ピントの合わせ方は「PSVR」同様に本体を動かすが、こちらはベルクロ固定方式。レバーロック式の「PSVR」と比べるといささか簡素だが、狙った場所に固定するのにはこちらの方がやりやすい印象だ。しかし、非常に軽く、つけ心地のいい「PSVR」に比べ、「Oculus Rift」は欧米サイズがベースゆえか鼻のあたりに隙間ができるなど、筆者の場合は長時間つけるとストレスがたまりそうな印象もあった。

そして筆者が「Oculus Rift」で体験したのはCGと実写を合成した建物内や自然の中を縦横無尽に駆け巡るプロモーションコンテンツ。「PSVR」に比べると2160×1200ドットのOLEDディスプレイを搭載し若干解像度が高いが、視野角、解像度ともにほぼ同等の印象を得た。
HTC Vive

高度なトラッキングが可能な「HTC Vive」


最後は「HTC Vive」(10万7784円)。2016年4月5日に発売され、「Oculus Rift」とほぼ同等の2160×1200ドットのOLEDディスプレイを搭載する。3機のなかでもっとも高額だが、部屋の中を歩き回ってもカメラ位置を追従してくれるベースステーションと高度なトラッキングセンサー、さらにハンドトラッキングも可能な両手用のコントローラーが付属する。

残念ながら実際に体験する機会は得られなかったが、筑波大学でメディア装置の研究に従事し、『魔法の世紀』や『これからの世界をつくる仲間たちへ』などの著書で知られる落合陽一さんに聞いてみたところ、実際に研究室に本機を有しており、「3機の中でもっとも使い勝手がいいです。部屋の中を自在に動いてもVR空間に破綻が起こらないところはすごいですね。またハンドコントローラーがとても使いやすいです」と教えてくれた。

「Oculus Rift」と「Vive」はPCでも使えることから、ゲームなどのエンタメコンテンツ以外でも、企業のプロモーション動画やアトラクション施設でも利用されることが多いという。コンシューマー向けとは違った普及の道筋も考えられそうだ。

ほかにも、クラウドファンディングから誕生し、視線を追跡する、アイトラッキング機能を備える「FOVE」や、中国企業のDlodloが発表した世界最軽量88gというサングラス型VRヘッドセット「Dlodlo V1」など、三つ巴の構図に割って入ろうとするハイエンドガジェットは、今後もまだまだ出てきそうだ。

使用環境を用意する手間と価格面で、「PlayStation VR」がもっとも注目を集めそうだが、各プラットフォームが同様に抱える課題はソフト面。いかにユーザーを引き込むゲームや映像コンテンツが登場するかが、VRが今後市民権を得られるかの最初のハードルと言えるだろう。あとはもうちょっと安くなってくれると、御の字なのだが…。

(吉州正行)

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