IT企業の経営は不安定に見える!?

ライブドアと楽天がITバブルを生き残った理由

2004.10.29 FRI

ライブドアと楽天。パ・リーグ新規参入球団候補としてにわかに知名度を上げたIT企業だが、当初「IT企業にプロ野球球団の長期経営が務まるのか?」という疑問の声が球界の内外で挙がったのは記憶に新しい。この背景には、02年2月にネット関連株が大幅下落した“ITバブル崩壊”の不安定なイメージがあるようだ。

だが、現実には両社とも、ITバブルとともにはじけることなく生き残っている。なぜか? まず、ライブドア(当時の社名:オン・ザ・エッヂ)は、渋谷を中心としたネットベンチャーのコミュニティ“ビットバレー”の中核的存在だったが、低資本・低コスト経営の企業であったことが吉と出た。ITバブル全盛期にベンチャーキャピタルの投資を受け入れ、バブルがはじけた直後に東証マザーズに上場。ウェブ制作を中心とする本業で地道に業績を伸ばし、04年2月には社名をライブドアに変更。その後、株式公開で得た潤沢な資金を使ったM&A(企業の買収・合併)で事業を急拡大させ、企業コンサルティングやネットの金融サービスなどで収益を確保した。

一方、楽天の三木谷社長は、平然と「わが社をほかのネットベンチャーと一緒にしてほしくない」と言い放っていた御仁。日本興業銀行出身として、ビットバレーの浮ついた雰囲気がよほど嫌いだったらしく、本社を聖地・渋谷ではなく、中目黒駅徒歩15分の外れに構えていた。本業では、ショッピングモールの出店料を当時としては破格の安値(一律5万円)に設定し、早々に仮想商店街ナンバー1の地位を確保。のちに、機を見て出店料を従量制に切り替えたが、現在もテナントをほとんど逃がすことなく、経営の安定した礎となっている。

いまや“ITバブルの勝ち組”として六本木ヒルズ森タワーに入居する両社。生き残りの理由は“地固め”というシンプルなものだったということか。今回のプロ野球参入が余計な副業にならないことを心よりお祈り申し上げます。

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