最近は外国産も多いですが…

どうしてまつたけってあんなに高いの?

2007.10.04 THU



撮影/村上庄吾 写真協力/赤坂 松葉屋 問:03-3583-9595香りと味を楽しむなら、やっぱり焼き…
秋の味覚の代表格、まつたけ。今年は、夏の猛暑がたたり、国産のものは3~4本で5万円(!)ほどになりそうだとか。でも、そもそもまつたけって昔からこんなに貴重なものだったの?『まつたけの文化誌』の著者、岡村稔久さんに聞いてみました。

「日本でのまつたけの歴史は古く、初めて文献に登場したのは奈良時代の『万葉集』です。ここには、まつたけのいい香りを詠んだ歌が残っていますね。その後、平安・室町と時代が進むにつれてまつたけ狩りに行った様子や、まつたけを焼く人の絵などが多く見られるようになります。この時代には、高価な物というよりも、おめでたくて喜ばれる季節の食べ物として、宮中への献上品にされたり、まつたけ汁を振る舞ったりして、珍重されていたようですね」

昔から日本人には欠かせないものだったんだ! それにしても…今、こんなに値段が高くなったのはなぜ? 農林水産省・特用林産対策室きのこ係長の蓮香さん??

「生産量の低下ですね。昭和20年代には今の100倍もの生産量があり、値段もそれほど高くなかったんですよ。でも、昭和40年代にまつたけの母体であるアカマツを食い荒らす“松食い虫”が大量発生し、松が枯れてしまったんです。その上、石油やプロパンの登場によって薪や落ち葉を燃料としなくなり、山を手入れする人が減った。その結果、落ち葉が堆積して土が肥え、多数の微生物が繁殖したので、まつたけが育ちにくい環境になったんです」

じゃあ、椎茸やエリンギみたいに人工栽培はできないの?

「椎茸などは、倒れた木や落ち葉の養分で育つのですが、まつたけは生きている松の根から養分をもらい、共生しながら育つので環境を整えるのが難しいんです。それに、まつたけ菌は非常に弱いため、松の根に菌を付着させることはできても、それ以上育たないんですよ」

なるほど~。値段が高いのにはワケがあったのね。いろんなことを噛みしめつつ、今年は奮発してみる!?


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