編集長に直撃してみました

『ネットランナー』はWeb1.0時代の終焉とともに…

2007.09.14 FRI


「たった8年の間にネット環境は激変しましたね」と、郷津編集長はしみじみ。ネトランの表紙はそのままネットの歴史の過程でもある、と自負する。
「ネトラン厨」「教えて君」といった流行語を生むなど、ディープなネットユーザーたちから愛されたPC・IT情報誌『ネットランナー』が、11月号をもって休刊する。発行元は「Web1.0時代の使命が終わったため」とコメントしているが、休刊を惜しむ声は多い。

そもそも、コメントにあった「Web1.0の使命」とは何だったのか? 真意を探るべく、郷津桂一編集長を直撃した。

「Web1.0とは、“情報の一方的な伝達”というフレーズに尽きると思います。ネトランは創刊以来、掲示板や個人サイトで見つけた楽しそうなネットの活用法を編集部が実際に試してみて、『面白い! 新しい!』と思えるものだけを提供してきました。しかし紙媒体ですから、編集者と読者をつなぐのは読者ハガキのみ。ハガキを読み込んで想定読者をイメージし、編集方針を固め企画を煮詰めていくという作業の繰り返しには、ニーズに応えるにも限界があります」

確かに、ネットユーザーのやんちゃな要望を敏速にとらえる誌面作りには、さぞ大きな苦労があったに違いない。

ネトランと言えば、5年前の「中華キャノンプラモ」が印象深い。発端は、中国の科学技術大学が大真面目に発表した人型ロボット「先行者」だ。そのとぼけた風貌が2ちゃねらーの嘲笑の的となり、“祭り”を起こしたのだ。勝手にテーマソングやJAVAアニメなどが作られる悪のりの中、ついには股間にキャノン砲を備える姿に変貌した2ちゃんねる製「先行者」を、ネトランはなんとプラモ化し、付録にしたのだ。

8年の歴史の功績のひとつを、郷津氏は「常軌を逸した付録攻勢(笑)」と振り返る。

「中華キャノンプラモのほかにも、いろいろやりました。 大金をつぎ込んで『ねとらん者アニメ』も作りましたし、賞金総額700万円をかけてツールアワードやサイトアワードなども開催しました。儲けたお金は全部こうした企画に突っ込みましたから」

こんな遊び心あふれる雑誌が消えゆくのは寂しいかぎりだが、アキバ系情報サイト「にゅーあきばどっとこむ」など、ネトランから派生したWebは存続する。そして、郷津氏の野望もまだまだ終わらない。

「悪のり全開のネトランの後継雑誌を立ち上げたいですね。ネトランがおとなしくなってつまらないと嘆いていた元読者や、最近ネットを始めたばかりの新読者を、知りたいことも知らなかった方が良かったこともぜ~んぶ書いてある新生ネトランで、ディープな世界に引きずりこみますよ!」

その悪のりぶりもまた、2.0へと進化してお目見えするはずだ。

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