PCの危険はウイルスやスパイウェアだけじゃない!

電磁波から出力情報を再現!?“画面盗聴”って知ってます?

2008.01.25 FRI


電磁波を“盗聴”してみると、ポインタの動きまで判別できた。クリアではないが、シンプルな操作や大きな画像なら、盗み読みできそう
「盗聴」といえば、室内や電話の会話をこっそり盗み聞くこと。ぬいぐるみの中に仕込んだり、電源タップに偽装した盗聴器を探偵が探す…なんて企画、テレビでよく見ますね。

そんな中、「電磁波盗聴」のキケンが急浮上! これはパソコンの画面などから出ている電磁波を解析し、離れた場所からディスプレイの情報を再現する行為で、「電磁波タッピング」とも呼ばれる。もともとは軍事・スパイ技術として研究されていた技術だ。しかし、どこまで画面を再現できるのだろう? 情報通信研究機構・セキュリティ基盤グループをたずね、主任研究員・田中秀磨氏に解説していただいた。

「パソコンのディスプレイなどの電子機器が放出する微弱な電磁波を受信し、その電子信号を画面に並べ替えることで、画面を再現する技術です。必要な機器をそろえたら、皆さんが思うより簡単に受信できますね。指向性のアンテナを使えば、原理的には数十~100m先にあるパソコンの画面ものぞけることになります。やっかいなのは、ディスプレイ以外にも、電源ケーブル、LANケーブルからも電磁波が漏れていること。電源線をたどることで、同じ建物の中ならどこでも受信できてしまうのです」

電磁波、だだ漏れしすぎ! 実際にデモンストレーションを拝見しますと…大き目のシンプルな字だったら判読できますが、メールの内容などをのぞくのは難しそう。心配といえば、こっそり見ているH画像・動画の好みがバレちゃうぐらいかな?

「いや、PCの画面が読まれたりするのは大きな問題じゃないですよ。パソコンに限らず、モニター機器全般が電磁波盗聴の対象になるので、ATMの画面に入力した暗証番号が読み取られる可能性もあります。電子投票システムで投票が盗聴されてしまい、電子選挙が中止されたというオランダの事例もあります」(同)

盗聴器などを仕込むわけではないため、電磁波盗聴の痕跡は残りにくい。必然的に、国内での被害実態などはまったくわからないのが現状だという。果たして対策はあるのだろうか?

「機密性の高い情報を扱う必要のある組織では部屋全体をシールドしていますし、 漏洩対策を施したパソコンを使っているという例もあります。しかし、そういったマシンは1台100万円ぐらいしますから、いかんせん個人の利用には向いていませんね。使いやすいのは市販の対策ケーブル、コネクターや対策ソフトウェア技術でしょうか。ソフトは電磁波を傍受されても見にくくするもので、当機構などで開発が進んでいます」(同)

コンピュータウイルスやスパイウェア、フィッシングサイトに対策をしている人は多いけど、電磁波盗聴はまったくの盲点では? セキュリティ意識が高まるなか、新たに知っておきたい脅威といえるだろう。

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト