ニカド電池からリチウム電池、そして燃料電池へ…

「バッテリ○○時間連続使用OK」が実際の利用時間とズレるのはどうして?

2008.03.14 FRI


近年の携帯電話やノートPCは、ほとんどがリチウムイオン電池だそう。しかも開発は年々進み、充電時間はどんどん短く、使用可能時間はぐんぐん長くなっているそう
最近の携帯電話やノートPCのバッテリって、ずいぶん長持ちするようになりましたよね。昔は、充電時間の方が使用時間より長かったのに。いったいナニが変わったの? 充電器に詳しいITライターの中村浩之さんに聞いてみました!

「そもそも、世界的にバッテリが使用され始めたのは、1960年にアメリカで生産が開始されたニッケルカドミウム(ニカド)電池から。しかしニカド電池には、電力を生むために必要な 電解質という媒介を時間とともに消費してしまう自然放電という特性がありました。また、モーターを稼働させるなど大量の電気を送り出すことに適していたので、少量の電気を長時間かけて消費する携帯電話やノートPCのような製品には、不向きだったんです」

しかも、自然放電してしまう分、電気をためられる容量を増やす必要があったそう。だから昔のバッテリはデカかったうえ、あまり長持ちしなかったのね。

「しかし、1991年に登場したリチウムイオン電池で一変します。それまでニカドが電解質として水溶液を使用していたのに対し、リチウムは金属など 非水系の電解質を使用したため、消費がほぼなくなったんです。それによって余計な重量をカットでき、しかも蓄積できる電気量は倍ほどになりました」

リチウムって偉い! ところで、ここで前々から思っていた疑問がひとつ。携帯電話やノートPCに書かれている連続○○時間使用可能!っていう表示と実際に使用できる時間って、かなりズレがある気がするんですケド。

「そもそも携帯電話やノートPCなどの多機能な製品は、バッテリの使用時間を測定しづらいんです。日本では、ノートPCに関してJEITA(ジェイタ)という測定方法が2001年に定められました。『電源を入れただけの状態と、作業をしている状態のバッテリの減り時間の平均値』の表示が義務づけられています。とはいえ、あくまでも平均値なので、実際に使える時間とはズレが生じてしまうんですね。ちなみに、携帯電話に関してはそういった測定基準が定められておらず、各社によって測定方法はまちまちです」

使用時間を測定するだけでも、かなり複雑なんですね。ところで、これからのバッテリ技術は、どうなっていくのでしょう?

「近年、リチウムイオン電池の次世代電池といわれているのが燃料電池です。水素と酸素の化学反応によって電気を生み出す構造なので、環境にもやさしいんです。さらに、リチウムイオン電池と比べ、寿命が10倍ともいわれています。現在は主に車などで実用化されていますが、小型化や軽量化が実現すれば、携帯電話などにも利用される可能性は高いですね」

充電時間がやたらと長かった時代から考えると、夢のような技術の進歩! バッテリの進化には今後も目が離せませんね。

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