製品版なのにタダのソフトも!?

個人向けPCソフトが無料配布されるのはなぜ?

2008.05.16 FRI


個人で使うPCソフトに関しては、今ではWeb上でさまざまなソフトが無料でダウンロードできる。中には製品版のソフトと比べて、遜色のない機能を持つソフトも。画面は下記リンク先「窓の杜」から
AdobeのPDFビューワーやFlash Plyaer、動画再生のReal Playerなど、PCソフトってネットから無料でダウンロードできるものが多いですよね。しかも、これがけっこう便利。でもそれって、ソフト会社的には大丈夫なんでしょうか? 僕のような「無料版」のダウンロードだけで満足しちゃって、本来の商品である「製品版」のソフトを買わないお客さんが増えたら、ソフト会社は大損なのでは? 

この「無料版」を配る理由って一体なんなのでしょうか。PCソフトビジネスに詳しい『週刊アスキー』の副編集長・加藤弘晃さんに聞きました。

「無料でソフトを配るやり方は、実は昔からあります。ソフト会社はインターネットが普及する以前からCD-ROM『無料版』を配ったりしていました。なぜこうも太っ腹に『無料版』を配るのかというと、PCソフトビジネスには、とにかく『自社のファイル形式を普及させれば勝ち』という面があるからです」

一体どういうことでしょう?

「例えば、動画ファイルを配りたい人がいたとして、『.wmv』や『.avi』などのすでに普及している形式なら、受け取る人はすぐにその動画を見ることができます。しかし、それが新規の形式だとしたら、そのファイルを開くためのソフトをいちいちインストールしなければ見ることができません。そうなると、受け取る人はそれが面倒で動画を見なくなってしまう。なので、ファイルを配る側も受け取る側も、『すでに普及しているソフトが一番使いやすい』となるのです」

いったんソフトが普及してしまえば、後発の類似ソフトは上記の理由で不利な立場に立たされてしまう。だから、ソフト会社は自社のファイル形式を普及させるために「無料版」を配布し、それによって製品版購入者を増やすという図式が成り立つのです。

「あと、セキュリティソフトなどの場合は、ファイル形式を普及させる必要がないものの、まず体験してもらうことが重要です。機能は製品版のものと変わらないのですが、使用期間が制限されています。『ちょっと使ってみて、気に入ったら買ってね』ということですね」

機能や使用日数の制限された「無料版」だけで満足する人が多くても、より充実した機能を使いたい企業や個人ユーザーなどはきちんと「製品版」を買う。そこでソフト会社としては元が取れる。ソフト会社が無料でソフトを配るのは「損して得取れ」ってことなんですね。

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