リニアPCM録音機が静かなブーム!?

ガンマイク片手に音で拾う生録マニアのディープな世界

2008.05.30 FRI


からすさんが録音で使っているガンマイクは2万円ほど。ステレオゆえ2本。風よけにはフサフサの通称・ネコ毛というカバーを用いるらしいですが、ひとつ10万円くらいするとか! 撮影/熊林組
大切な会議や商談、語学学習などの録音では、主流となった感のあるICレコーダー。そのICレコーダー市場が今、「リニアPCMレコーダー」と呼ばれるモデルを巡って、静かに盛り上がっているのをご存じでしょうか。

と、その前に「リニアPCMレコーダー」とは何か? オールアバウトのDTM・デジタルレコーディングガイドの藤本健さんにうかがいました。

「従来のICレコーダーは、録音方式にWAVやMP3といった圧縮ファイルを使っているんですが、音を圧縮しないで、生のまま記録するのがリニアPCMレコーダーです。どれくらい音が良いかと言うと、通常のCDが16ビット・44.1kHzというフォーマットを採用しているのに対し、リニアPCMは24ビット・96kHz。つまりCDより良い音が録れるんですよ」

2004年にローランドが5万円以下の小型モデルを発売したのをきっかけに、以降ソニー、サンヨー、オリンパス、ケンウッドなどもリニアPCMを投入し、しのぎを削りあっているという。

しかしCDより良い音を録ってどうするの? 聞けば、世の中にはリニアPCMレコーダーで、自然の音や生活音を録りまくる「生録マニア」なる趣味があるとか。

な、何のためにっ!?

ホームページ上で、鳥の鳴き声や、花火、中央線特別快速(高尾行き)などの音を公開しているからすさんに直撃しました。

待ち合わせは、休日の人出でにぎわう下北沢駅前。なかでも異彩を放つのが、ヘッドホンにガンマイク、機材バッグと、まるでテレビの音声さんのようないでたちの、からすさん。明らかに不審です。

「職務質問されることもあります(笑)。ぼくの場合は、音フェチなのはもちろん、再開発で変わりゆく下北沢の音を今のうちに残したいと思って生録を始めたので、街中だけに目立っちゃうんですよね」

趣旨を説明すれば納得してくれるそうですが。

「歩きながらの録音では、機材の音が入らないよう注意しています。うっかりすると自分の足音も入るので、極力音が立たないようなスニーカーも探しました」と、マニアならではの苦労もあるようです。

しかしその甲斐あってか、録音された音を聴かせてもらうとうわっ、変な気分! 目を閉じれば、街を行き交う人々の話し声はおろか、歩く方向や、どちらを向いているのかまで、ありありと光景が浮かびます。

藤本さんいわく「音のハイビジョン」とは、まさにその通り。

機材や録音にこだわれば底なしの世界ですが、付属マイクでも十分録れるというリニアPCMレコーダー。ネットには様々なマニアたちが自慢の音を披露しています。興味を持った方は一度、そんな音たちを聴いてみては?

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