6月2日からの実施は見送られたが…

デジタル放送の新規格「ダビング10」ってなに?

2008.05.29 THU



イラスト/藤田としお
先ごろ報道されていたように、著作権者側と機器メーカー側の意見が対立したことにより、実施が延期された「ダビング10」。どちらの意見が正しいかはさておき、報道を見聞きしたボーナス前の読者の中には「ダビング10実施までレコーダーは買い控えるべき?」「今持っているレコーダーは使えなくなるの?」という疑問を抱いた人も多いはずだ。

結論を言えば。ダビング10の実施延期を、買い控えの理由にする必要はない。現在販売中の対象機器の大半が、購入後に内部ソフトのアップデートを行うことで、ダビング10に対応できるからだ。一方、ダビング10非対応の機器を持っている人も大丈夫。自動的に、従来の規格(コピーワンス)で放送が受信できるようになっている。後述する複製回数の制限に不満がなければ、慌てて買い換える必要はないだろう。

そもそもダビング10とは、録画番組の複製と移動(ムーブ)回数を制限するデジタル放送の規格のこと。現在のデジタル放送は、基本的に「コピーワンス」という規格で放送されている。これは、放送内容を直接録画したDVDなどの電子メディアから別の電子メディアへは、複製をする際に元メディアの内容を消去してしまう「ムーブ」しか許可せず、さらに移動先のメディアからは、複製も移動も許可しないというもの。移動に失敗した場合にはどちらの録画内容も消滅する、といった点が不評だった。

そこで登場したのがダビング10。これまでできなかった、別メディアへの複製を9回まで許可した。とはいえ、複製先のメディアからの複製、移動が不許可である点は変わらないため、根本的な問題は解決されていない、という声もある。例えば、DVDに保存した番組を、ブルーレイにダビングすることは、相変わらずできないのだ。

違法コピーをしていない利用者にとって、著作権者側の主張もダビング10もあまりうれしくはない存在。とはいえ、権利者の立場も大切。両者にとって良い答えが出るよう、関係各位に頑張ってほしい。


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