全世界規模でネットが広がる陰で…

インターネットを襲うクライシス「経路爆発」って知ってる?

2008.07.04 FRI


インターネットを郵便にたとえたら、IPアドレスは住所の役割を果たし、ルータは郵便局。経路表は、宛先近くの郵便局へ手紙を運ぶ輸送車の行き先表にあたる(実際は『への4』のようなIPアドレスはありません) イラスト/小沢聖
今、インターネット界に「経路爆発」という深刻な危機が迫ろうとしている!

なんて聞くと、サーバがショートしてバンッ! なんてベタなシーンを想像しちゃいますが、その実情は!? インターネットのネットワーク運用に精通する、まほろば工房代表の近藤邦昭さんを直撃してみた。

「インターネットは、パソコンから『パケット』というデータの固まりをいくつものプロバイダを経由して転送する、という仕組みで情報をやりとりしています。パケットにはデータの行き先の住所、いわゆるIPアドレスがついていますが、ルータ(インターネットの交換機)はパケットの転送先を『経路』として持っています。この経路が急激に増えることが『経路爆発』なんです」

インターネット全体では、現在の経路数は約25万経路。2000年前後は約8万経路程度だったことを考えたら、その急増ぶりがわかるだろう。では、経路が増えすぎると何がマズイことでも?

「経路を記した『経路表』の急増が問題なんです。経路表はルータのメモリに記憶されていますが、メモリの容量には数百メガバイト程度という上限があります。さらに、データの交通量を緩和するため、経路はさらにいくつもの小経路に分割されてしまう。結果、ギガバイトクラスのメモリが必要になることもあり得るのです」(同)

メモリ不足に陥るとマズいのは、普通のパソコンと同じ。ソフトをたくさん立ち上げてメモリの空き容量が不足したら、すごく動作が遅くなったり、フリーズして再起動を要求されることもある。では、経路が急激に増え、ルータが記憶できる限界を超えたら? ネット上の至る所で、重くなったパソコンと同じようなトラブルが発生する可能性も!? 

「正直、それほど心配はないかもしれません。経路情報はプロバイダが管理・維持していますから。郵便なら、住所が急激に増えても、郵便局がやりくりして配達してくれますよね。インターネットも同じです。ルータの進歩で取り扱える経路数は格段に増えていますし、運用者もうまくルータを使いこなし、一般には影響がないように対応していくでしょう」(同)

「経路爆発」という派手な字づらだけ見ると深刻そうだけど、実際はボクらが気づかないうちに解決されそうな気配。むやみにビビる必要はないのかも。もちろん、ボクらがネットライフを謳歌できるのは、技術者たちが縁の下でがんばってくれているおかげなのだ。くれぐれもこの事実を忘れないようにしたいっスね。

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