ワンセグの生放送にも字幕が!

生放送はどうやってリアルタイムで字幕をつけてるの?

2008.10.03 FRI


奥にアナウンサーとディレクター、手前に校正者。過去の成績や得点などが表示された画面は瞬時にキャプチャされ、いつでも確認できるようになっている。ちなみに総務省は、2017年度までにすべての番組への字幕付与を目標としている(複数人が同時に会話をする生番組や手話つきの番組、音楽番組などは除く)。
ケータイのワンセグテレビって字幕表示ができますよね。あの字幕、ニュースや野球中継にもついてるって知ってました? 収録番組は事前に字幕をつけられそうだけど生放送はどうやってるの? 「リアルタイム字幕システム」を開発し、第28回放送文化基金賞を受賞した日本テレビを直撃!

「放送前に原稿が届くニュースなどは、キーが少ない特殊なキーボードで、オンエアを見ながら打ち込みます。野球やオリンピックなど、展開が予測できないものは音声認識システムを使っていますね」(日本テレビ技術統括局制作技術センターの鈴木寿晃さん)

音声認識システムとは? 

「音声を文字に変換するシステムです。ただ、ノイズに弱く歓声などが入ると正しく変換できないので、字幕専用のアナウンサーが、実際に放送されている生中継を観ながら解説者の言葉などを簡潔に言い直しているんですよ。現場を見てみます?」(同)

ということで、野球中継に字幕をつけている現場にお邪魔すると個室の中でアナウンサーらしき人がロボットみたいな声で話してる!

「字幕専用のアナウンサーは、コンピューターに認識されやすいよう、わざと抑揚のない声で話すんです。認識された文章は短い文節に区切られ、誤変換をチェックする複数の校正者のパソコンに振り分けられます。文章だけでなく、アナウンサーの声も文節で区切られイヤホンに届く仕組みになっているんですよ」(同)

校正者は3人。超スピードでキーボードを打っているかと思いきや意外と余裕の表情。

「校正者は、イヤホンから流れる声を聞きながら間違いを訂正するだけなので、早打ち技術はあまり必要ないんです。それに、選手名などの誤変換しやすい語句は事前に登録していますからね」(同)

パソコン画面を覗くと想像以上に正しく認識されてる! これなら、どんな生番組でも字幕がつけられそう。

「実は、バラエティや情報番組には字幕を入れるのが難しいんです。このシステムを使っても、字幕を表示するまでには3~5秒は遅れてしまう。そのため、多くの出演者がテンポ良く掛け合う生番組は、画面に映っている人と表示された字幕が合わず、混乱を招いてしまう可能性があります。今後の最大の課題ですね」(同)

ちなみに、他のテレビ局ではオンエアを観ながら3~4人が交代で、聞き取った言葉をイチから文字に起こす(!)ところもあるそう。字幕表示の裏には、システムの技術革新や地道な人の手作業など、様々な努力が隠れていたのね。

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