隣の理系がワカラナイ

第3回 理系男子たちは恋愛にオクテなの?

2009.01.09 FRI

隣の理系がワカラナイ

理系女子です。あー、わかるわかるー、と思いながら拝読しました。私自身、工学部なので女性と接する機会が極端に減って男子校の生徒のような気持ちに時々なってしまうことがあります。理系は男性というイメージがあるのか理系女子には就職先も少なく、結婚も難しいのだそうです。・・・どうしましょう。結婚には今のところ興味はないけれど、そのぶん一人で食べていけるだけの収入が得られないとこの先、かなり不安です。

投稿者:「瓶子」さん(東京都/20歳/女性)

女性ですら、女性と接する機会が少なくなってしまう理系って。
それでは理系男子の皆さんが、
「女性に慣れていない=オクテ」になってしまうのもしかたないのかもしれません。

でも、そもそもどうして理系には女子が少ないんでしょうか?
まずはそこのところを、ちょっと科学的に検証してみましょう。
幼児の自由画(新井康允/人間総合科学1) A:6歳女児 B:6歳男児 C:5歳男児 D:先天性副腎過形成の5歳女児 女児は暖色を使った女の子の絵、男児は寒色を使った乗り物の絵というように、色やモチーフの選択に性差が見られます。Dの女の子は副腎皮質ホルモンを合成する酵素が遺伝的に欠けているかわりに男性ホルモンが分泌。胎生期に副腎皮質から男性ホルモンが分泌され、胎児の脳に作用するため、絵も男の子っぽくなってしまうのだとか。

どうして理系は女子が少ないんだろう?



以前、あるビジネス雑誌で20代の男性エンジニアに取材したときのこと、彼は「とにかく女性と接する機会が少なくて。恋愛なんて、そんな!」と頬を赤らめていました。別の研究職の男性は「先日、生まれて初めて合コンなるものに参加しました。話すことがありませんでした」と凹んでいました。そんな理系男性を何人か見たことがあるので、私には「理系男子はオクテ」というイメージがあるんですよね。

で、その理由を私なりに考えてみたところ、理系男子の多くが、あまり女性と接する機会のない環境で育ってきたからではないかと。

理系職種には、大学の文系専攻から就職した人もたくさんいると思いますが、ほとんどは理工系学部出身。調べてみると、早稲田大学理工学部の女子比率は約11%、他大学でも理系専攻の女子比率は1割程度でした。高校から理系コースだったりすることを考えれば、女性に慣れていなくて当たり前です。

ところで、どうして理系はこんなに女性が少ないのか。脳の性分化について研究している人間総合科学大学の新井康允教授にお話を聞いたところ、ユニークな実験データを教えてくれました。

「全米の中学校の成績上位者3名を集めて、数学の大学入学資格テストを受けさせたところ、500点代の男女比は2:1だったのですが、600点代は4:1、700点以上になると13:1と、どんどん男女差が広がってしまいました。女の子は平均点付近に集中しているのですが、男の子は低い点から高い点までバラツキがある。それでも高得点は男子が独占しているので、男子の方が理系科目は得意なのでしょう。また、子どもを産んで育てるメスは平均的、メスから選ばれるオスはバリエーション豊富と読み解けば、生物学的にも納得できます」

また、目隠しをして右手と左手それぞれで立体に触ってみて図形の形を当てるテストを男女様々な年齢でやってみたところ、男の子は6歳くらいから左手での正解率が高いのに対して、女の子は12歳くらいまで左手正解率が上がらなかったそうです。

「左手の正解率が高いというのは、右脳頭頂葉での処理能力が高いことを示しています。右脳頭頂葉は奥行きや立体図形など空間認知を司る部分で、男の子は小さいうちから空間認知能力が優れている傾向にある。数学の中でも幾何のような図形を扱う分野が得意です」(新井教授)

男女に立体迷路をやってもらう実験では、男性の方が早くゴールできたのは予想通り。面白いのは、迷路に挑戦している最中、男性の脳内では海馬が活性化していたこと。同じ作業をしていても、女性の脳の海馬は活性化しないんだとか。海馬といえば記憶に関連する部位というイメージでしたが、実は空間や地理的判断をするときにも使うんだそうです。

「一方、女性は左脳と右脳をつなぐ脳梁(のうりょう)が太いので情報処理能力が高く、パッと目に飛び込んできた視覚情報(平面的)を処理する能力にも優れています。産まれてすぐの赤ちゃんがお母さんとアイコンタクトをとる回数を調べると女の子の方が多いなど、コミュニケーションに関しては女性の方が優れています。人の気持ちがよく分かるのも女性の特徴ですが、胎生期(胎児の時期)の男性ホルモンの影響によって人の気持ちを理解する共感性が低くなるという実験結果も報告されています」(新井教授)

この結果だけを見て「男性は理系に向いている」とは言えませんが、女性の方が人とのコミュニケーションが得意な「文系寄り」で、男性の方がモノや形の認識力が高い「理系寄り」であるということには科学的根拠があるようです。脳の構造からして違うなら、女性である私が数学が苦手なのもしかたないんですね。
『理系クン』(高世えり子/文藝春秋) 今まで「?」と思っていた理系男子の行動の真意だけでなく、女性が男性のどんなところを見て、何を期待しているのかも分かり、男性読者にも勉強になるはずです。今春発行予定の第2巻では、理系クンからのプロポーズの顛末も分かるとか。理系的プロポーズ、気になります!

『理系クン』の著者に聞く理系男子のこんなところが好き!



女性と接する機会が少なく、「彼女ができない」とお悩みの理系男子は少なくないと思います。でも、世の中には「理系男子が好き!」という女性だっています。

高世えり子さんは、理系の彼(今はダンナ様)との恋愛エピソードを『理系クン』という漫画で紹介。『理系クン』は、理系な彼ならではのエピソードがユニークで、恋愛ストーリーというよりもギャグ漫画的な内容です。そんな高世さんに理系男子のいいところを聞いてみました。

「私の場合、小学生のときに初めて好きになった人が天文好きの理系男子でした。周りの子たちはその彼のことを『冷たい』とか言っていましたけれど、私には『クール』に見えましたし、私が知らないことをたくさん知っていることが魅力的でした」

で、大人になって理系クンとお付き合いするようになるわけですが、実際にお付き合いしてみると理系男子はどうなんでしょうか。男女の会話とか、成立します?

「最初は、一方的にコンピュータの話をまくし立てられて何一つ理解できず、ただうなずいていました。そのときは『話が合わない。勉強しないと』と焦りましたが、彼は話を聞いてほしいだけで、私がコンピュータに詳しくなくてもよかったんです。最近では私にも分かるような例え話を上手に盛り込んでくれるので、分からない話でも盛り上がりますよ」

高世さんの彼の場合、文系の高世さんでも分かるように話すことでコミュニケーション力が上がったようです。お二人のようないい関係ならうらやましいですが、女性から見た理系の彼には、やっぱり「何を考えているかワカラナイ」というイメージが。

「彼は中学から大学までほとんど女子がいないところで育ってきたから、どうしていいか分からないようです。それに、女性の前ではクールでいなきゃいけないと思いこんでいたり、変なことを言って女性を困らせたくないという気持ちが人一倍強いんです。それって理系クン特有のやさしさじゃないでしょうか」

物知りで、クールで、実はやさしい。男性としては最高じゃないですか。そんな男性なら、理系も文系も関係なく、私も大好きです!

「ただし、どんな記念日でも彼には『365日のうちの1日』でしかないので、プレゼントなどはこちらから言わないと何もしてくれません。でも、『彼女がそういうことを望んでいるんだ』と納得すればとことんやってくれます。最初のうちだけ女性がリードすればいいんです。ケンカになりそうなときも、冷静かつ論理的に原因究明してくれるので、まずケンカになりません。むしろ客観的すぎるところにカチンと来ることはありますけどね(笑)」

最初のとっつきにくさをクリアすれば、これ以上ないステキなパートナーになってくれるということですね。そんな理系男子の良さに気づいている女性は、意外と多いかもしれません。出会いさえあれば、すごい「モテ男クン」になっちゃったりして!? 少女漫画には「ツンデレ理系王子」という定番設定があります。
頭がいい優等生なんだけれど、理屈っぽくてイヤミな彼。
でも、そんなぶっきらぼうな態度は彼のやさしさで、
実はとってもステキな私だけの王子様だった。

なんていうのは、漫画の中だけのお話。
かと思っていたけれど、実は、結構あることなのかもしれません。
(少なくとも、逆パターンの
「メガネをとったら実は美少女」よりはありえそう)

この企画では、回を進めるたびに
理系の人々の知られざる魅力が見えてきました。
引き続き、いろいろな切り口から
「理系にまつわる不思議」を解明していきたいと思います。

そんなわけで、次回のテーマは「理転のススメ」。
文系から理系職種に転じることを「理転」というのですが、
理転のメリット、向いている人と向いていない人、
理転する際のポイントなどを調べてみます。

実際に理転を経験した人、理系職種への転職に興味がある人などからの
いろいろなご意見をお待ちしております。

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