隣の理系がワカラナイ

第5回 理系出身の社長が経営をすると…?

2009.02.06 FRI

隣の理系がワカラナイ

理系男の私にとって、最も分からないのが女性でありますが、その中でもさらに分からないのが理系女子であります。 ~中略~ 確かに男性的でもあるし、女性の面も確実に持っている。また、真の天然ボケが多いのも特徴的(不思議キャラとは違います)。日本では理系は約3割、そのうち約2割が女性といわれます。つまり、全日本人のたった数%しかいない稀少人種の理系女性を深く調べたら、面白そうだと思いませんか?

投稿者:「さるぞう」さん(岡山県/35歳/男性)

「理系女子を取り上げてほしい!」という要望は、
スタート当初からいくつかもらっていました。
これはいずれ近いうちに実現する予定です。
乞うご期待!

でも、今回はいつもよりもビジネスっぽい視点で
(もともと「ビジネス」というカテゴリなので)
「理系的経営」について考えてみたいと思います。

最近、理系出身の社長さんも増えているそうですし、
これからのビジネスを読み解くうえでも
役に立つかもしれません。
上場企業の理系社長を一番たくさん輩出しているのが東京大学。上場企業社長の出身大学・学部を調べると、慶應義塾大学経済学部・法学部がトップで、以下、東大法学部、慶應商学部、東大経済学部と続きます。経済学部、法学部といった文系学部がほとんどですが、最近では、東大工学部、早稲田理工学部も上位に入るようになってきました。

理系社長と文系社長はどんなところが違うの?



「もの作りの国」「技術立国」などと言われ、製造業を中心に成長を遂げてきた日本ですが、肝心の製造業がハンパない苦境に立たされている今、どうやったら不況から抜け出せるんでしょうか。

こんな私の問いに対して、「理系出身の社長が増えれば日本経済は上向きます!」と力強く答えてくれた人がいます。『「理科少年」が仕事を変える、会社を救う』(彩流社)の著者・出川通さんです。

出川さんはそう言いますが、日本では会社社長のほとんどが文系出身で、理系出身は3割程度しかいません。上場企業における社長の出身学部ランキング(「東京経済統計月報」2003年4月)を見ると、経済・法・商・経営で半分以上。工学部出身の社長は20%程度でした。やっぱり、経営に近い勉強をした人や、営業や管理部門など人やお金のマネジメントに慣れている人が経営をした方がいいんじゃないでしょうかねぇ?

「日本の高度成長を支えた工場型もの作りでは、人やカネのマネジメント力に長けた文系経営者がベストでした。高い技術力を持つ日本の技術者たちを使って、どうやって効率よく均質な製品を作るか。そして、完成した製品をどのようにして売るか。それを考えるのが当時の経営者の仕事でしたから、自分自身が技術者である必要はなかったのです。でも、デジタル化が進んだことで細かなノウハウを数値化できるようになり、高い技術力がなくても高品質・高効率で生産できるようになってしまったし、コスト面でも海外にはかなわない。もう、今までのビジネスモデルでは通用しません」

出川さんによると、今までのやり方では「どうやって造るか」が大事だったけれど、これからの経営者はマーケットのニーズを押さえたうえで「何を創るか」を考えなければならない。そうなると、営業力や管理能力以上に、技術やマーケットが分かる経営者が求められる。つまり。

「そこで強みを発揮するのが、私が『理科少年』と呼んでいる理系出身者です。理科少年は商品を生み出すベースとなるテクノロジーを知っている。そして、経験・理論・データをもとに着実に物事を進行できる。それでいて、新しいモノを作り出そうとする好奇心・チャレンジ精神・冒険心を持っている。『こういう現象が起こるのはなぜだろう』『これは何からできているんだろう』『どうやって作るんだろう』というように、未知のものにワクワクできるのはサイエンスの心ですからね。そういう思考を持った人がトップに立ったら、常に未来を見据え、世界と渡り合えるオンリーワンの技術・商品を生み出す会社になるはずです」

そういえば、アメリカにはマイクロソフトのビル・ゲイツが、日本にもソニーの井深大やホンダの本田宗一郎といった技術者出身の経営者がいて、どの会社も独自の商品開発力で世界トップにのぼりつめています。

彼らのような「理科少年」のスキルとマインドを持った経営者が増えてくれば、日本経済も元気になるかもしれないんですね。
印刷会社だというのに、白衣を着た吉田社長と実験道具(手前の瓶は様々な種類の界面活性剤)。手に持っているのが「DNA印刷」の見本で、著者名のところがDNA入りインクで印刷されています(目で見ても分かりません)。インク内のDNAを読み取る機械が開発されれば、本人のDNA入り遺言状を作成するなど、書類の本人確認に役立てられそうです。

化学系研究者出身の社長は今でも実験が大好き!?



文系の仕事だと思われがちの経営を、理系の人がやるとどうなるのか(経営学部は文系ですから)。実例が見てみたいですよね。

ただ、文系出身社長に比べれば全然少ないものの、数にすれば山ほどいる理系出身社長。製造業では当たり前すぎて面白くないですし、意外な業種でいないかなぁと探したところ。東京都板橋区に本社を構える恒信印刷にユニークな経歴の社長を発見! 直接お話を聞いてきました。

恒信印刷の吉田和彦社長は日本大学工業化学科を卒業後、画材メーカーに就職して色材やインクの研究開発に従事。その後、縁あって恒信印刷に入社したのが16年前。4年前に社長に就任したのだそうです。

「前職がインク開発ですから印刷とは無関係でもないですし、昔からもの作りが好きで、本や雑誌を作る印刷会社も面白いと思って。経営に関しては未知の領域でしたが、研究だってできるかどうか分からないけどやるもの。どんなことでも『できる』と思って、実現するための方法を考えるのが研究者の仕事なので、経営もそれほど抵抗なかったのかもしれません」

吉田社長が入社した16年前は、印刷業界にコンピュータが導入された頃。当時、社員10数人ほどだった恒信印刷ではコンピュータ対応などしていなかったそうですが、前職時代にCADで図面を描いていた経験を持つ吉田社長が、パソコン上でデザイン等を行うDTP事業部を設立。その後も業界に先駆けてインターネットによる注文を受け付けるなど、先端技術を導入してきたのは理系社長ならではですね。

今でも、同社のホームページは社長のお手製。検索エンジンで上位に表示されるようにするためのSEO対策を徹底することで売り上げも伸び、社員数も36人まで増えました。

「SEO対策っていうのは毎日地道にやることが大事なんですが、私のような研究職出身の人間はそういうことに慣れていましてね。研究職時代は『この試薬を○℃の釜に入れてみる』といったことを、ただひたすら毎日、飽きもせず何カ月でもやりましたから。しかも、数字に関しては適当にすることができないので、たとえば『サイト上の文字におけるキーワードの割合を5%にする』と決めたら、小数点以下2桁までピッタリの5.00%にしないと気が済まない。そこまでシビアにしても意味はないんですよ。でも、5.15%とかでは気持ち悪いんですよ(笑)」

昨年は、人のDNAをインクに混ぜて印刷する「DNA印刷」を開発するなど、常に何かを研究中!の吉田社長。理系スピリッツをバリバリに発揮したまま、社長業をやっている様子です。今も「完成すれば世界をあっと言わせるようなもの」を開発中だそうで、まだ誰も成功していないけれど「それでもできないとは思えない」という超ポジティブ思考は変わらず(笑)。

こんなユニークな理系社長が増えれば、日本の景気も良くなりそう。現在開発中の「世界をあっと言わせるようなもの」の完成も楽しみにしています。頑張ってください! 「理系の人は経営に向いていないんじゃないの?」
なんて、漠然と思っていましたが、
ビル・ゲイツや本田宗一郎といった
神様級の理系社長がたくさんいることを忘れてました!

そもそも理系の人は「計算」も得意なんだから、
(分野によっては「計算が苦手」という理系の人もいるでしょうが、
総じて、文系の人よりは得意だという前提でお願いします)
数字の管理だって得意なはずで、
つまり、理系の人は経営に向いているんですね。

あとは、「よっし、経営やってみるか!」と
思ってくれる理系の人がどれだけいるか。
実は、そこが一番のネックだったりするかもしれませんが、
これを機にそんな人が増えることを願ってます!
(あくまでも、個人的に)

次回は、今回に引き続いて
「理系的思考が意外なところで活きているよ」シリーズ(?)
として理系作家を取り上げます。

皆さんは、「理系作家」といわれる人の作品を読んだことがありますか?
読んだことのある人は「理系作家作品の理系らしさ」「オススメ作品」
「実はあの作家も理系出身」などなど、教えてください。

読んだことのない人も、理系にまつわるコメントなら何でもOKです。
小説や作家に関係なく、いろんな投稿をお待ちしています!

社長の成功日記

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