1時間早く帰るIT仕事術

第7回 今すぐに「仕事のやる気」が欲しい!

2009.03.04 WED

1時間早く帰るIT仕事術

先月締切りのはずの仕事をまだやってる担当パーソナリティの呉です。

いまさらの話しですが、ぼくは仕事が遅いです(汗)。
締切りまでのスケジュールに余裕があると、
やばいなーと思いつつギリギリまで放置プレイし、
直近になってようやく焦りだす、そんなタイプです。

周囲の人たちにも迷惑だし、このままじゃマズすぎる!
という自覚と焦りは多分にあるものの、
なぜか自分の意思で「やる気」を発揮できない。
PCに向かってスムーズに作業をはじめられない。
これって一体どうしてなんでしょう?

もしも「やる気」を自由自在に発揮できれば、
常に集中して仕事をこなせるようになるワケで、
何よりの効率アップにつながるはず!

というわけで今回の仕事術は、仕事に向う
「やる気」と「集中力」の心理に迫ってみましたよ。


「がんばらねば!」と意識しているときほど、仕事へのやる気は下がっているもの。息抜きのつもりで始めたゲームに熱中したりしちゃいがちです

そもそも「やる気」ってどこから出てくるの?



ビジネスマンが100人いれば、仕事へのモチベーションは百人百色。新人時代は仕事を覚えるのに無我夢中だったけど、少しずつ余裕が出てくるにつれ、なんとなく毎日がルーチンで面白くなくなってきたなんて感じ始めている人も少なくないのでは。

高名なビジネスパーソンのブログなんかを眺めていると、誰もが強いモチベーションを持っていて、バリバリ楽しそうに仕事を満喫している。どうせなら自分もあんな風に仕事をしてみたいけど、どうにも「やる気」が出てこない。というか、そもそも「やる気」って自分の意思でコントロールできるシロモノなんだっけ?

「やる気とは、人間が行動するときの動機となるエネルギーのことで、大きく分けて2つの種類があります。ひとつは『恐れ』によるもので、仕事であればミスしたくない、上司に怒られたくない、というような不利益を避ける気持ちから生まれます。もうひとつは、自分自身の『欲求』から、何かをしたい、何かが欲しいという気持ちによって生まれるもの。どちらも同じやる気のエネルギーですが、その性質は大きく異なるんです」

と語るのは、ビジネスマンのモチベーション向上などを手助けしているカウンセリング会社、神戸メンタルサービス代表の平準司さん。

「『恐れ』による行動は悪いことを避けたいというハッキリした目的があるので、短い時間に強い瞬発力を発揮します。一方で『欲求』による行動は、自分が好きでやることだけに、長い時間テンションを維持できる持久力が特徴です。例えば、納期に追われているときは必死に仕事ができますが、身も心もヘトヘトに疲れます。しかし、自宅で好きなゲームに熱中しているときは徹夜もまったく平気、という違いは、動機となるやる気の種類による部分が大きいんです」

確かに、上司や取引先からのプレッシャーは強烈な「やる気」の元になりますね。でも小学生時代の夏休みの宿題みたいに、頭では分かっているけど「やる気」が出ない仕事もありますよね?

「それは『逃避』と呼ばれる心理で、やらなければ困ると理解しているのに、心(感情)がやりたくないと拒んでいるケースです。面倒そうな仕事ほどつい先延ばしにしてしまうのは、内心に『どうして今、自分がやらなければならないんだろう?』という疑念があって、心から納得できていない場合に起きやすいんですよ」

でも、実際にはやりたくない仕事だからって放っておくワケにもいかないし、そういったイヤな仕事には「やる気」は持ちようがないの?

「そんな場合にやる気を支えるのが、行動に対する『報酬』です。やりたくない仕事でも、それによって貰えるごほうびによって、私たちの気持ちはガラッと変わってしまうんです。お給料はもちろん報酬のひとつですが、ほかにも人間関係の構築や、他人から認められること、仕事そのものの達成感など、報酬には色々な形があります。自分にとって効果のある報酬を用意できれば、様々な仕事に対してもやる気を持続させることができるんです」

生きるために働くのは当然だけど、それ以上の「やりがい」を求める気持ちは、ぼくらにとって自然な感情みたい。仕事の内容だけじゃなく、それに関わる諸々のなかに自分なりの楽しみを見出せれば、どんな仕事にもやる気をもって取り組めるのかもしれません。
佐々木正悟さんの『一瞬で「やる気」がでる脳の作り方』(ソーテック社)。脳科学と心理学によるアプローチで、モチベーションを操作する方法を解説している

サボリの魅力に打ち勝って仕事に集中する方法とは?



いつもPCの前に座っているオフィスワーカーは、甘く危険な「仕事してるフリ」の誘惑と戦うことを宿命付けられている。PCに入ってるミニゲームはハマるとつい熱中しちゃうし、ネットが自由に使える職場だったら、ちょっと仕事を中断してはニュースサイトやブログを眺めたりと、なにかと余計なことをしてしまいがち。

筆者自身も、今日は徹夜だ! なんて張り切っているときほど、実際は仕事に集中できず、ネット上を漂ってサボり続けてしまう。これってやっぱり「集中力」が弱いってこと? というわけで、脳のしくみに詳しい心理学ジャーナリストの佐々木正悟さんに、「集中力」を発揮するコツについて聞いてみました。

「そもそも仕事とは、何かを判断して実行するという『小さな決断』の連続です。仕事に集中しているというのは、小さな決断を無意識のうちにスムーズに行えている状態のこと。反対に、その決断力が鈍っていると、仕事にうまく集中できない状態になるんです」

集中力=決断力? では「何となくサボりたい気分」みたいなヌルい気持ちも、決断力の低下によって起きるんでしょうか。

「決断力が鈍ると、仕事におけるたくさんの判断に対していちいち葛藤を感じてしまい、余計なことまで考えがちになります。それが心の負担となって、仕事に取り掛かるのが面倒になったり、集中力の低下につながるんです。これを防ぐには、作業中に発生しそうな判断について、あらかじめ『こうなったらこうする』という基準を決めておくことが有効です。仕事の見通しがクリアになると心理的な負担が減り、集中できる状態を維持しやすくなります」

確かに、あらかじめ決めておくべきことが多い仕事ほど、ゼロから始めるのがしんどいもの。いろいろ頭で考えすぎちゃって、肝心の作業はほとんど進まないことも結構あるんですよね。

「また、集中には適度な緊張感も必要です。うまく仕事に集中できているときの人間の心理は、きわめてバランスのとれた緊張状態にあります。ただ、途中に休憩などを挟んでリラックスすると絶妙な緊張のバランスが崩れるため、それまでの集中力は弱まります。そうなると、再びすぐに同じ集中力を発揮するのは難しいですね」
佐々木さん推奨の集中力ツール『Dark Room』は単なるテキストエディタだが、起動するとディスプレイ全体が文字通り真っ暗になり、文章入力だけに集中できる。起動後は通常のマウス操作ができなくなるので、終了したいときは「ctrl」+「Q」キーで
てことは、仕事中にちょっと余計なこと(ネット巡回とか)をするだけで、せっかくの集中力は失われちゃう? 道理で一度サボるとなかなか作業に復帰できなくなるワケです。

「ウェブだけでなく、こまめに届く新着メールなども結構気になるものです。じっくり作業したいときは、PCからネットケーブルを抜いてしまうのもひとつの手です。目の前の作業だけに集中しやすくなりますよ」

うーん、ネット依存の人間にとってオフラインになるのは勇気のいる決断だけど、ここぞというときには確かに効果的かも。

ちなみに、佐々木さん推奨の集中力アップツール『Dark Room』は、起動するとデスクトップ全体が真っ黒になって、文字入力以外の作業ができなくなるという珍しいテキストエディタ(文書作成ソフト)。使っているとオフィスで異彩を放ちそうだけど、集中できる環境が欲しい人は試してみては? ぼくらの「やる気」と「集中力」の仕組みを、
心理学的な側面から追ってみた今回のレポート、
いかがだったでしょうか。

道具や機械を手で扱うのとは違って、
自分の心や気持ちは、意思だけでは動かせません。
だからこそ、「やる気」をサポートする環境やツールで、
少しでも気持ちを萎えさせないことが、
モチベーションを保つ秘訣といえそうです。

みなさんも、効果的な「やる気」向上ツールや
テクニックをご存知でしたら、
ぜひともコメント欄からご意見お聞かせ下さいね。

それでは、また次回をお楽しみに!

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