1時間早く帰るIT仕事術

第9回 アイデアを絞り出す方法って?

2009.04.01 WED

1時間早く帰るIT仕事術

突然ですが、皆さんがイメージする
「仕事がデキる男」に欠かせない能力ってなんですか?

的確な判断力?
フットワークの軽さ?
それともコミュニケーション能力とか?
どれも重要なのは間違いないけれど
個人的には「発想力」が結構キモなんじゃないかと。

例えば打ち合わせや会議の席上で
「なんか面白い企画ない?」的なことを振られたとき、
独創的なアイデアをポンポン出せる人って、
「デキるなあ」って感じがしますよね。

ほかにも、仕事のやり方を効率化する工夫をしたり、
新しいプロジェクトを提案したりなどなど、
その規模の大小にかかわらず、
アイデアマンって尊敬される気がします。

でも、斬新な発想や面白いアイデアを出せる人って、
普通の人と一体何が違うんだろう。
やっぱり特別な才能があったり、
普通じゃない頭の使い方をしてたりするの?
いやいや、どうもそれだけじゃないようです。

というわけで第9回は、
「アイデアの出し方」のヒミツに迫ってみます!


『アイデアパーソン入門』(講談社BIZ) 公私に渡ってよいアイデアをたくさん出せる人=アイデアパーソンになるための具体的なテクニックと心構えを解説している一冊。初級者から上級者までためになります

いい「アイデア」を思いつく発想法って?



のっけから私事で恐縮ですが、筆者は「アイデア」を出すのが激しく苦手です。編集部との打ち合わせ中、「じゃ、次回までにいくつか新しい企画考えてきてよ!」なんて突然いわれると、確実に途方に暮れます(汗)。

職種によって内容に違いはあっても、仕事をするうえで「何かを考える」「アイデアを出す」必要に迫られることって結構多いもの。でも、ルーチンワーク的な作業と違ってマニュアルは存在しないし、ハッキリした正解も決まっていないから、何度経験しても慣れない。

一方で、斬新なアイデアを次々と考え出すアイデアマンが存在するのも事実。そういう人たちはもともとの頭のできが違うんじゃ、という気もするけれど、ひょっとしてアイデアを出す力って今からでも鍛えられたりするの? 『アイデアパーソン入門』などの著作で知られる企画のプロ・加藤昌治さんに、アイデアを生み出す発想法のコツを聞いてみました。

「まず、基本的に『アイデア』と『企画』は別物だと分けて考えることですね。アイデアはあくまでも企画の素であって、無数にある『選択肢』のひとつでしかありません。でも、ビジネスでアイデア出してといわれると、多くの人は独創的で立派な、ホームラン的企画を考えようとする。いきなりそれをやってもダメなんですよ」

いわれてみると、これまでは「ちゃんと企画になるモノを考えなきゃ」という縛りが無意識に働いていたかも。

「アイデアは『ちゃんとしてなくていい』んです。むしろ思考のハードルを下げて、とにかく数を出してみることが重要。実現不可能だとか、人に見られたら恥ずかしいとか、余計なことは一切考えないで、自分がやりたいと思ったことを全部書き出します。ちょっと集中すれば、1テーマに対して数十個くらいのアイデアはわりと簡単に出せるはずですよ。無茶なアイデアが大半でも、その中にこそ、面白いアイデアの原石が隠れている可能性が高いんです。アイデアを吟味して企画として整えるのは、その後のステップですね」

でも、特別なネタ元があるワケでもないのに、新しくて面白いアイデアなんて普通の人が出せるモノなの?

「どんなアイデアマンだって、ほとんどのネタ元は一般的な日常生活ですよ。20~30年も生きていれば、本も読むし趣味もあるし、アイデアの下敷きになる情報のストックは十分あるはず。そもそもアイデアというのは、『既存の要素の新しい組み合わせ』のこと。テーマに対して、自分が興味のあること、関心があることを少し取り入れながら連想ゲームをするだけでも、個性的な新しいアイデアは作れるんです」

なるほど。でもやっぱり、それなりに自信があるアイデア以外はあんまり他人には見せたくないような。ヘタしたら、つまらないヤツって評価されちゃいません?

「実際には、自分では無茶だなあと思っていたアイデアほど、人から高い評価を受けるようなケースも多いんですよ。そのままでは使えなくても、周りの人の意見が加わってより良い形になることもある。いったn頭の外に出したアイデアは周囲との共有物、くらいの気持ちで、出たアイデアはどんどん外に投げていくべきです」

荒唐無稽なアイデアばかり言っていても仕方ないけれど、自分のなかでハードルを上げすぎて、結局ひとつもアイデアを出せないよりはよっぽどマシかも。カッコつけずに素の自分を押し出していけば、意外なヒットアイデアが飛び出したりして?
A4コピー紙に描き出した『アイデアスケッチ』。タイトルと概要を描いただけなので、PCのプレゼンテーションソフトでも代用できそう。ただし、細かい体裁は気にせずガッと描くこと。複数のアイデアを1枚にまとめないこと

今日からできる即効アイデア出しテクニック!



イザ、新しい企画を考えなきゃ! っていうとき、どんなスタイルで「アイデア出し」してますか? 一生懸命ウンウン唸っても、なかなかアイデアって出てこないもの。PCに向かってぼーっとしてると、周囲からは仕事をサボっているようにしか見えなかったりして。

ただ漫然と考えるだけじゃ、どうももどかしい。頭からアイデアをギュッと絞り出せるような、便利なテクニックなんてあったりしないんだろうか?

「アイデア出しって、スポーツに近い側面があるんですよ。準備ナシでいきなり実践をしてもうまくいきません。日ごろの練習が必要だし、練習していないことはできない。その代わり、一度コツをつかめば頭が自然と動くようになるんです」

と語るのは、『アイデアパーソン入門』などの著作で知られる加藤昌治さん。日ごろの練習って、具体的にはどのような?

「まず、アイデアは24時間いつでも出てきます。気になるニュースを読んだときや、人としゃべっているときなどに、フッと何かを思いつくことがあるはず。思いついたアイデアは簡単に忘れてしまうので、必ずメモに残すことを習慣化してみては。それ自体は小さなアイデアの断片でも、いつか別の形に広がったり、考える作業の出発点になってくれる。これを逃す手はありません」

加藤さん自身は、気づいたことはケータイのメールにごく簡単に書きとめて、自分のPCアドレス宛に送っているんだとか。では、ためたメモはどう活かせばいいの?

「次に、机の前でアイデアを出すときのポイントは、頭と手を動かすこと。簡単なのは、メモを参考にしながら『アイデアスケッチ』を描くことです。A4のコピー紙を20~30枚ほど用意して、1枚につき1アイデア描いていきます。内容はびっちり書き込まず、タイトルと概要が2~3行あればOK。体裁にこだわらず、自由に適当に描きます」

文字だけじゃなく、イラストとか描いてもいいんですね。だから「スケッチ」なんだ。

「一度体験するとわかるんですが、何かの課題に対して『10個アイデア出す!』と決めたら、とにかく思いついたことを描いてみる。10個出さなきゃ終わらないという状況に身を置いてみると、案外出るんですよ。はじめはくだらないものばかりでも、それが出尽くすと意外にいいアイデアが飛び出したりする。その感覚を味わうと自信になります。これが練習になるんですよ」

というわけで筆者も挑戦してみる(課題は、R25.jpの新企画について!)と、最初の5案はポコポコっと出たものの、後が続かない。

「内容がほんの少し違うだけでも立派な1アイデアです。固く考えず、どんどん発想を転がしてみてください。わざわざ紙に描くんだから、とちゃんとしたものを描きたくなりますが、大切なのは数を出すこと。最初はちょっとしんどいですが、繰り返すことでどんどん地力が付いていきますよ」

結局、細かいキーワードの入れ替えなども駆使して、なんとか10アイデアをクリア! 結構アタマを使ったなーって感じだけど、手を動かしてアイデアを紙に落としていくのは、アタマだけを使うのとはだいぶ違う感覚だった。

もちろん、突然すごいアイデアを思いついたわけじゃないけど、普段は1~2案ほど考えるだけでも大変なことを思えば、頭に気合を入れる意味でも効果があった気がする。日ごろからアイデア不足に悩んでいる人なら、一度試してみる価値はありそうですよ。 「発想力」というと抽象的で捉えづらいけど、
「アイデアを出す」という能力は、
考え方と練習次第で身につけられるスキルのよう。

発想力のトレーニング方法はいろいろあるけれど、
まずはアイデアのハードルを下げることと、
数をこなすことを重視する加藤さんのやり方は、
普通の人が普通にアイデアを出したいときに有効な気がします。

さて、次回は「アイデアの出し方」の第2弾!
企画会議やブレストをするとき、
効率のいいやり方ってないの?

というわけで、複数の人が集まって
アイデア出しをするときの
賢い作法をレポートしたいと思います。
それではまた次回まで!

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