1時間早く帰るIT仕事術

第11回 世間の荒波を渡っていくスキルって?

2009.04.30 THU

1時間早く帰るIT仕事術

おれは仕事ができるんだぜ!
周りの奴らは使えねー、
自分一人で実績出して一目置かれてやるぜ!

なんて考えてるわけじゃないと思うけど、
ワリと孤立して仕事をしていて、
常にしんどそうな人って結構いる気がします。
徹夜してでもがんばる決意は立派だけど、
なんでもかんでも一人でやるって、効率悪いような。

その一方で、さほど苦労している様子も見えないのに、
周囲の人たちにいつもフォローされながら、
キチンと仕事ができちゃう人もいる。

そんな人たちの共通点といえば、
やっぱり「コミュニケーション力」の高さ。
日ごろから周囲と円満な人間関係を築いていたり、
イザというときに気の利いた一言が出てくる彼らは、
とても仕事がしやすそうに見えるんですよね。

でも、それって持ち前のキャラクターよるもので、
いまさら身につけられるものじゃないのでは?
いえいえ、実は「愛嬌」って立派なビジネススキルなんだとか。

というわけで第11回は、
仕事上のコミュニケーションを円滑にする
ヒケツについて調べてみましたよ。


『愛嬌力トレーニング』(TAC出版)。祐川さんの長年の経験による“かわいがられるノウハウ”をケーススタディで学べる実践指南書

あと一歩の評価につながるコミュニケーションの秘訣とは?



いきなりネガな話題で恐縮ですが、筆者が社会人になって早数年、スキル的に「できる仕事」は増えたけど、なんだか最近成長が止まっている気がしています。以前ほど新しい仕事にチャレンジできていないし、人間関係もうまく広がっていないような。

自分なりに一生懸命やっているつもりでも、同世代でイキイキ仕事している人に会うと、妙に取り残されている気分になったり。これって何が問題なんだろう?

「組織のなかで働くビジネスマンに限らず、仕事をするうえで周囲の人から愛されるという能力は、ときに実務スキルよりも重要なものです。ですが、自分のスキルに自信のある男性ほど、それを軽視してしまっているケースが多いんですよ」

と語るのは、コミュニケーションスキルを研究している女性ベンチャーキャピタリストの祐川京子さん。

「20~30 代のビジネスマンは、上司や先輩といった目上の人たちにかわいがられることで世界が広がっていくもの。日ごろからそれを意識していないと、人脈は広がりづ らいし、困ったときにも助けてもらえません。仕事をしやすい環境を作るには、自分からかわいがられやすい人間関係を作っていくことが大切なんです」

といっても、「かわいがられる」って実はすごく難しくありません? 持ち前の性格とかもありますし。

「天然のキャラクターと違って、ビジネススキルとしての『愛嬌力』は、訓練で身につけられるコミュニケーション力のことです。ただ仕事をこなすだけでなく、自分のキャラクターを周囲に向けて積極的にブランディングしていくことがポイントですね」

具体的には、何に注意すればいいんでしょう?

「ま ず第一には、必要以上にデキるぶらないことです。自分が目上の立場になればわかりますが、デキすぎる後輩はかわいくないですよ(笑)。アレもコレも できますというより、アレは苦手だけどコレだったら得意です!と普段から得意分野を絞ってアピールしておくと、苦手な仕事は回ってきにくくなるし、 得意な仕事で成果を出せば信頼につながります」

まずはキャラ立ちしろってことですか。確かに、得意なことがハッキリしていれば、周囲の人も仕事を任せやすくなりますね。

「た だし、成果が出ても手柄を独り占めするのはNGです。誰かにサポートしてもらったら、○○さんのおかげと具体的に口にして感謝すること。本人に言うだ けでなく、機会があるごとに周囲の人に伝えることが大切です。媚びのように感じるかもしれませんが、Win-Winの関係作りのためには重要なポイン トです」

むむむ、なんだかハードル高いですが、感謝されて評判が上がれば、当人も嫌な気はしませんよね。

「仕事以外で も、例えば外食が好きな先輩ならいいお店を教えてもらって感想を言ったり、読書好きな上司ならオススメの一冊を教えてもらって読んだりなど、その人の得意 な分野を頼ってお礼を伝えるということは、人間関係の構築にとても効果的なんです。極端な話をすれば、相手の目の前で転んで助けてもらい、お礼を言うくら いのガッツが欲しいですね(笑)」

結構ガツガツした感じもするんですが、引かれたりしないですかね(汗)。

「これは直接 的な利害関係がある人に限らず、どんな相手にもできることです。反対に、自分が得意な分野で頼られた場合はできる限り助けてあげることで、さらに人間関係 は広がっていきます。仕事につながる=人脈というふうに考えず、身近にいる人に常に興味をもって積極的に関わっていく習慣をもつことが大切なんですよ」

シャイな人には難しい部分も多いけど、実践できれば確かに人間関係は円滑になりそう。最初はぎこちなくとも、少しずつチャレンジしてみるべきかも?
「固く読めがちなメールでは、ネガティブに取られかねない要素は極力避けた方が無難。『わざわざメールを頂いてすみません』と書くより、『早速のご連絡をありがとうございます』とするなど、書き出しからポジティブさを強調すると印象がよくなります」(祐川さん)

メールならではのコミュ力アップの秘訣とは?



社内外を問わず、ビジネス上の連絡手段といえば「メール」を使う機会が圧倒的に多くなっている昨今。事務的な連絡だけでなく、ちょっとした私信やお礼のメールなど、人間関係を構築するためのツールとして活用するケースもよくある。

でも、文章という顔の見えないやり取りだけに、独特の難しさを感じている人も少なくないはず。こんな感じでいいのかな? と不安を抱きつつ送ったメールが、意外なイメージダウンを招いたりしてることってないんだろうか?

「気軽に送れるのがメールの利点ですが、それゆえに安易な対応をすると、人間関係を損なう可能性も秘めています。円滑なコミュニケーションのためには、気を使うべきポイントが結構あるんですよ」

と語るのは、コミュニケーションスキルを研究している祐川京子さん。

「私 の場合、ネガティブな内容の第一報をするときや、何かを議論する必要があるときには、絶対にメールは使いません。文章は、読み手の感覚や気分によって与え る印象が大きく異なるもの。わずかでももめる可能性があるならば、直接対面したり、電話で話す方が細かなニュアンスや誠意が伝わります。ちょっとした揶揄 やからかいなども、相手によっては気分を害する可能性もあるので避けますね」

些細なことでも文章だとやけにシリアスになったり、感情をうまく伝えられない面はありますね。

「反 対に、ポジティブな内容やお礼の連絡などにはメールは最適ですね。その場合も、上司や先輩など目上の人とやり取りするときは、『奇数回で終わらせる』こと が信頼されるポイントです。例えば目上の人から指示のメールを受けたら、まず内容を承知した旨を返信し、その後に結果を報告するメールを送ります。これで 『目上から目下から目下から』と奇数回になる。逆に自分から目上の人にメールした場合は、その返信について一言お礼を送る。これで『目下から目上か ら目下から』となります」

確かに、目上の人からのメールを受け取りっぱなしにするのは落ち着かないもの。でも、やり取りが延々と続いてしまった場合はどうすれば?

「返信に対する返信、そのまた返信という感じで何度もメールが往復する場合は、締めくくりに2~3行のお礼を送ればいいんです。ごく簡単な内容でも、相手よりも必ず1通多く送ることで、与える印象がグッとよくなるんです」

やっぱりポイントはマメな返信ですか。でも、量が多いと結構バカにならない手間なんですよねぇ。

「あ まり長い文章を書く必要はないですし、仕事上の連絡ならば、むしろタイトルだけでさっと用件が伝わるくらいに気を配るべきですよ。また、CCやBCCの同 報メールは意外に無視しがちですが、これにもなるべく返信するべきです。複数の人に送っているとはいえ、送信者は相手をキチンと選んでいるわけですから ね」

何かにつけてメールを使わざるをえない今だからこそ、わずかな一手間が人間関係に大きく影響するのかも。筆者もメール不精を返上して、最後の1通の気配りを心がけたいと思います。 「愛嬌」を生かしたコミュニケーションといえば、
なんとなく女性の専売特許なんて思ってましたが、
ビジネスの世界を生き抜くうえでは、
男女を問わず欠かせないスキルだったんですね。

職場内に限っても、
人間関係が円滑になればチームワークが向上し、
仕事がうまくいくのは自明の理。
結果的に、部署のみんなが早く帰れるようになる
ってことにもつながりそうです。

もともと対人関係が不器用で、
新人時代はすべての飲み会を断ってはばからなかったぼくですが、
やはり周囲の人とどんどん絡んで縁を深めていかねば、と痛感しました。
そのためには、自称・シャイな性格をなんとかしたいものですが。

さて次回のお話ですが、
半年間続いたこの連載もいよいよ最終回。
ラストを飾るテーマは、
「ITで早く帰る!」という基本に立ち返って、
最新式のワークスタイルを研究したいと思います。
最後までお付き合いをよろしくお願いします!

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