50万円で宇宙に行きた~い!

第9回 タイムマシンができちゃうよ!

2009.07.28 TUE

50万円で宇宙に行きた~い!


映画、『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』では、洗濯機をベースにしたタイムマシンが登場。  『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式 スタンダード・エディション』3,990円(税込) 2007 フジテレビジョン/電通/東宝/小学館 発売元:フジテレビジョン/電通/東宝/小学館 販売元:ポニーキャニオン

タイムマシンは実現可能。 物理学ではもはや常識! でも!



皆さん、知ってました? ドラえもんの世界でタイムマシンが完成するのは2008年。って、もう随分前から2009年なんですけど! 科学者の皆さん、サボってません!? 『タイムマシンがみるみるわかる本』の著者であり、明星大学、東京大学数物連携宇宙研究機構の佐藤勝彦先生に聞いてみました!

「未来に行くタイムトラベルはすでに実現していますよ」

なんと!? そんなニュース、見たことも聞いたこともないですけど!

「まず、光の性質として『光の速度は常に一定である』ということを憶えてください。例えば時速100kmで走る電車の中で太郎君が進行方向に向かって時速5kmで歩くとします。その様子を電車の外で立ち止まっている花子さんから見ると、太郎君は時速何kmで移動しているように見えますか?」

太郎君は時速105kmで移動してるように見えます。当たり前でしょ。

「その通りです。では、今度は太郎君が同じ状況で電車の進行方向に懐中電灯の光を向けるとします。花子さんから見た光の速度は、先ほどの計算なら100km+光の速度ということになります。ところが『光の速度は常に一定』ですから、花子さんから見ても光の速度は秒速約30万kmに見えることになるんです。なぜそんなことが起こるのか。アインシュタインは光ではなく、時間の流れの方が変化していると考えたわけです。これが特殊相対性理論の基本的な考え方です」

あ~残念ながら、すでについて行けなくなってるんですが、とにかく光とはそういう性質のもので、時間の流れこそが一定ではない、と。

「そのうえで特殊相対性理論は『物体は光の速度に近づくほど、時間の流れが遅くなる』ことを示しています。もし太郎君が光速の99%の速さで進むロケットに乗って宇宙を1年間旅行して地球に帰ってきたとしましょう。すると地球では7年の時間が経っているんです。つまり太郎君は6年後の未来にタイムスリップするわけです。これをウラシマ効果と呼びます」

いや、えーとその前に光の速さに近づくことなんかできるんですか?

「1円玉サイズの物体を光の速度の99%の速さにするには、水爆数億個分のエネルギーが必要なので、現実的には難しいでしょうね。光の速度に近づけば近づくほど、その時間差は顕著に現れる、ということです。さきほどの話で言えば、新幹線に乗るだけでも、太郎君の時間は立ち止まっている花子さんよりもほんの少しゆっくり流れるんです。つまり、太郎君は未来にタイムスリップしていることになる。極端な話、今あなたが一歩動けば、目の前で静止している私よりもほんの少しだけ未来にタイムスリップすることになるんですよ」

ちょ! 待っつまり、ボクたちは常に時間的に誰かと抜きつ抜かれつを繰り返しているってこと? なにソレ?

「実はすべての物質は同じ時間を共有していません。それこそが、時間の流れが一定ではない、ということなんです」

1971年に行なわれた実験では、世界一周した飛行機に乗せた時計と地上の時計では、飛行機の時計が59ナノ秒(1ナノ秒は10億分の1秒)遅れており、しかも、この数字は特殊相対性理論の計算とピッタリ一致していたのだとか。

「ほかにも未来に行く方法はあります。一般相対性理論によると、重力が強くなるほど時間の流れはゆっくり進みます。ブラックホールのように強烈な重力のある場所に近づいて、地球に帰ってくれば未来にタイムトラベルすることになります。ほかにも理論上ではこんな方法もあります。巨大な鉄玉の中に人が入り、玉を収縮させていくと重力が強くなり、玉の中の時間はゆっくり流れる。その後、玉をもとの大きさに膨らませて中の人が外に出ると、未来にタイムスリップできます。ただし、玉は太陽と同じくらいの『重さ』が必要ですが」

う~ん、とにもかくにも理論上、未来にタイムトラベルできることは間違いなさそう。実現するには相当時間がかかりそうだけど。

「ただ私は楽観主義者なので、百年後には、1時間程度の未来に行けるタイムマシンが実現してもおかしくないと思っています」

百年後って、連載終わっちゃうから!
もし過去に戻って自分の親を殺したら、当然、自分が生まれなくなる。生まれていない自分がなぜ親を殺せるのか? この「親殺しのパラドクス」が世界中の物理学者を悩ませているのだ。イラスト/鈴木麻子

過去に行けちゃうといろいろ困るんですよ!



驚くべきことに、アインシュタインの相対性理論によれば、時間の流れ方は、物質のスピードや重力の強さによって変わります。僕らは新幹線に乗るだけで、立ち止まっている人よりも10億分の1秒ほどの未来にタイムスリップしているのだ。では、過去に行くことはできない?

『タイムマシンがみるみるわかる本』の著者であり、明星大学、東京大学数物連携宇宙研究機構の佐藤勝彦先生に聞いてみました。

「アメリカの理論物理学者キップ・ソーンが、ワームホールを通れば過去に行くことができると示しました。ワームホールとは空間同士を瞬時につなぐトンネルのようなものです」

ワームホールとは数学的に導き出された可能性のひとつであり、その存在は確認されていないが、実在すれば空間を瞬間移動できるらしい。つまりアレだ。ドラえもんの「どこでもドア」!

「ここに、人間が通ることが可能で安定した状態のワームホールがあるとして、このワームホールが東京と大阪をつないでいるとしましょう。まず、大阪側のワームホールを亜光速で地球を何周かさせた後、再び大阪に戻します。すると東京と大阪のワームホールではウラシマ効果によって時間のズレが生じます。仮に東京側12時、大阪側10時としましょう。次に太郎君は東京から大阪に電車で向かいます。東京時間では大阪に15時に到着します。ところが時間はすでにズレているので大阪側の時間では13時に到着したことになるんです。そこで大阪側のワームホールに入ると、同時刻の13時に東京に現れる、というわけです。太郎君は2時間前の過去に戻ったわけです」

う~んなんというか煙に巻かれたような気がしなくもないけど。

「ただし、この方法ではタイムマシンが完成した瞬間よりも過去に行くことはできません。我々が『タイムマシンに乗ってきた未来人と会ったことがない』理由はこれで説明できます」

なるほど。ともあれ、理論的には過去に行けるタイムマシンができる可能性があるということなんですね。

「そういうことになりますそれが世界中の理論物理学者を困らせているんです。これまで私たちは、タイムマシンで過去に行くことは絶対にできないと考えていました。なぜなら親殺しのパラドクスの問題があるからです。仮に、太郎君がタイムマシンで30年前の過去に行き、自分の母親を殺したら、当然、太郎君は生まれてこないことになります。では、生まれてこない人間がなぜ人を殺せるのか? これは『原因は過去にあり、その結果は未来にある』という因果律を破る深刻な矛盾です。私たちは、どうにかタイムマシンが過去に行けない理論を探しているのです」

まさに、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のストーリーですな。でも、僕が読んだ書物によれば、未来は平行して何パターンもあって、太郎君が母親を殺した未来と、殺さない未来が存在するってまぁドラゴンボールなんですけどね。

「太郎君が殺した母親とは別に、母親が生きている世界も存在する。同時並行的にパラレルワールドがあると考える多世界解釈ですね。そういった解釈を提唱する学者もいますが、私はホーキング博士が提案する『時間順序保護仮説』を支持します。これは、過去に行こうとするとそれを邪魔するための自然現象が、原子や素粒子などのミクロな世界で必ず起こるのではないか、というものです。ホーキングは量子論からその法則を導き出そうとしているんです」

世界中の理論物理学者がよってたかって過去に行けない理論を探しているなんて、ちょっとガッカリ。誰か過去に行ける理由、考えてくれませんかね? タイムンマシンで過去に戻って競馬とか宝くじとかで
ラク~にお金儲けすることを目論んだ僕ですが、
どうやらはかない夢に終わりそうです。

ちなみに、去年ロシアの数学者が「CERN(欧州原子核研究機構)」の実験で
タイムマシンが実現すると発言しました。
佐藤先生に尋ねたら「物理学的に根拠がない、可能性はゼロ」と一蹴。

ちぇっ。
実は、一時期ネットで話題になった
未来からの使者「ジョン・タイター」は、
2034年にCERNで開発されたタイムマシンに
乗って来たことになってるんです。

タイターの話が実話かも!

とワクワクしたんですけど、ぬか喜びでした。
とはいえ、やっぱりタイムマシン話って本当に楽しい。
妄想力をふくらませるんですよね。

次回からもSFチックな謎に体当たりでぶつかります!
気になることがあればお便りプリーズ!

バカバカしいネタでも全然オッケー!

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