宇宙のナゾを解明するシリーズ

第3回 3年後に太陽フレアで地球壊滅!?

2009.11.04 WED

宇宙のナゾを解明するシリーズ


太陽の大爆発によって生じる太陽風を、磁場のバリアで後ろへ受け流すのです。エラいぞ地球! 頑張れ地球! NASA

太陽フレアが起こってプラズマが襲いかかる!?



古代マヤ文明の予言では、2012年に人類が滅亡するらしい。まぁノストラダムスも外れたことだし、地球まだまだ余裕っしょ! なんて思っていたら、ちょっと気になる情報をキャッチ。なんでも、2012年、太陽にとんでもない大爆発が起こって、地球に壊滅的なダメージを及ぼすかもしれないとか。ば、爆発って、ヤバくないッスか!? さっそく名古屋大学・太陽地球環境研究所と海洋研究開発機構(JAMSTEC)に所属する草野完也先生に話を聞いてみました。

「太陽は光や熱以外に、目に見えない太陽風や太陽放射線といったものを常に発しています。太陽風とは高熱のプラズマのガス。太陽の周りでは絶えず四方八方吹き荒れていて、地球にも飛んできているんです」

プラズマって、テレビとか空気洗浄機とかに使われるあのプラズマですよね。空気がさわやかになるんなら太陽風ウェルカムですね! じゃんじゃん来い!

「氷を温めると水になり、さらに温めると気体になりますが、気体の温度をさらに上げるとプラズマになります。温度が上昇しすぎた気体は、原子を構成する『+イオン』と『電子』がバラバラになり、自由に動けるようになります。これはどういうことかというと、プラズマは気体でありながら電流が流れる状態になっているんです。具体的な症状については研究中ですが、大量のプラズマを直接浴びると人体に悪影響を及ぼす可能性があります」

それはマズい。太陽風こっち来んな!

「実は地球は目に見えない磁場のシールドで守られているので、通常は太陽風が直接流れ込んでくることはありません。ところが太陽の表面で大爆発(太陽フレア)が起こった場合、話は別です。太陽は11年周期で活動が活発になり、この時期に大小様々な太陽フレアが起こります。太陽フレアが起こると、その衝撃で周囲のガスが吹き飛ばされて、秒速約1000kmの猛烈な太陽風となって地球に襲いかかってきます」

なるほどだんだん話が見えてきましたよ。次に太陽フレアがひんぱんに起こるのが2012年で、その時にウルトラ級の太陽風が襲いかかってくると。ま、まさか自慢の磁場シールドに穴が空いちゃうとか!?

「いくら巨大な太陽フレアが起こっても、磁場シールドに穴が空くことはありません。ただし、こんな可能性があります。磁石のS極とN極をイメージしてください。N極の南極から出た磁力線が宇宙に出て、S極の北極へ戻る、これが地球の磁場シールドの仕組みです。太陽風は地球に飛んでくる時に、一緒に太陽の磁場を運んでくるんですが、太陽風の磁場が北向きの場合、地球の磁力線と同じ向きになり互いに干渉し合うことはありません。しかし、南向きの場合は地球の磁力線とぶつかり、磁力線同士がつながって太陽風のエネルギーが地球の磁場シールド圏内に流れ込んできます。すると太陽から見て地球の裏側に太陽風の膨大なエネルギーが蓄積し、やがて爆発を起こす。すると、今度は地球に向かって大量のプラズマが流れ込んでくるんです。磁場の向き常に変化するので今の時点で予測できませんが、最悪の場合、現代社会のインフラが壊滅的なダメージを受ける可能性があるんです」

偶然が重なれば太陽フレアは凶悪なものになる。2012年まで残り約3年。脅威の太陽フレアによる、インフラの壊滅的なダメージとはいったい?
後半に続く!
2012年、太陽フレアによる影響の最悪のシナリオ。我々人類に逃げ場はない!? イラスト/鈴木麻子

ごっつい太陽風がやってくると人工衛星や宇宙飛行士が危ない!



11年ぶりに太陽の活動が活発になる2012年。太陽の表面では大爆発(太陽フレア)がひんぱんに起こり、その衝撃でウルトラ級の太陽風が地球に流れ込んでくるんだとか。しかも、NASAをはじめとする専門家の見解では、2012年の太陽フレアはこれまで以上にやっかいな問題を抱えているらしい。名古屋大学・太陽地球環境研究所と海洋研究開発機構(JAMSTEC)に所属する草野完也先生に、2012年の最悪のシナリオを聞いてみました。

「太陽フレア自体は過去に何度も起こっている現象ですが、これまではあまり問題はありませんでした。しかし、現在はテクノロジーが進化し、我々の社会が人工衛星やGPSに依存するようになったので、太陽フレアによって様々な影響を受けるようになったんです。もし、巨大な太陽フレアが起こり、地球圏に大量の太陽風が流れ込んだら、まず心配なのが人工衛星です。太陽風は電気を帯びたプラズマの風です。高度数百キロメートル上空にある人工衛星は、電気の大雨を受けることになり、機能不全に陥る可能性があります。具体的には、例えばカーナビや携帯電話などのGPSが使えなくなるかもしれません。また、太陽風のエネルギーは北極や南極など緯度の高い所にもっとも降り注ぐので、極域の近くを通る飛行機は、通信障害になる恐れがあり、最悪の場合は事故を起こす可能性もあります。2012年には飛行ルートの変更が必要になるかもしれませんね。さらに心配なのは、宇宙飛行士の安全です。太陽フレアが起こると、太陽風と共に大量の太陽放射線も放出されます。通常なら、太陽放射線は地球の磁場シールドと大気で防げますが、太陽フレアが起こった場合、放射線量が一気に何ケタも増加することがあります。地上にいる私たちには大きな影響はありませんが、宇宙空間を遊泳中の宇宙飛行士がいれば、かなりの量の放射線を浴びてしまいます。太陽フレアが予測されている場合、宇宙飛行士は放射線を防げる場所に避難する必要があります」

えーと。つまり、カーもナビもGPSも持ってないボクが、2012年に勝ち組になると、そういう話ですね!

「どうでしょう。地上での影響を考えると、太陽風が降り注ぐと電線に余分な電圧が流れて各地で変圧器などが焼き切れる可能性があります。たかが電線といってもバカにできません。実際、1989年にカナダのケベック州では太陽風の影響で変電所の電線が焼き切れて、6日間も停電が続きました。太陽フレアの規模によっては、全世界が一斉に停電する可能性だってあるんです。また、最近はデジタル機器が高性能になった反面、より繊細になったため、微小な電波の影響も受けるようになりました。そのため、太陽風の影響でインターネットやパソコンが使えなくなるケースなども考えられます」

PCの秘蔵フォルダが全部ブッ飛んじゃうってことですか!? それは困りますよ! なんとかしてください、先生。

「ただ、私は2012年に太陽フレアが起こる回数は実はこれまでより少ないんじゃないかとも思っています。というのも太陽の活動はここ最近なぜか非常におだやかで、黒点が見られない日の数がほぼ100年ぶりに700日を超えて増加しています。太陽の表面で黒いシミのように見える黒点は、非常に磁力が強い危険な場所です。太陽フレアはこの黒点の周りで起こるんですが、黒点がほとんど現れない無黒点の時代がやって来るかもしれません」

黒点が現れなければボクのPCのフォルダは無事なんですね? 大丈夫なんですね?

「ええ。ただし、同じような無黒点の時代が17世紀半ばから18世紀にかけてありました。その時は地球の気温が0.8℃下がり、天気が非常に不安定になったんです。たかが0.8℃とはいえ、当時は穀物の生産性が下がり、多くの人が餓死しました。もし、2012年に黒点が現れずに気温が下がったら、我々の生活にもなにかしら影響が出るはずです」

う~ん巨大な太陽フレアが起こったら電気や通信のインフラが破壊されるし、逆に太陽フレアが起こらないと寒くなる。これらはあくまでも「可能性」の話ではあるけど、もし現実となった場合、経済も生活もなにかしらの影響を受けることになる。太陽さんがおだやかに過ごしてくれることを切に願います。 太陽フレアの結果、地球にプラズマが流れ込んでくると、
大気中の原子や分子とぶつかってオーロラができるんです。
北極や南極の近くでオーロラが見えるのは、
プラズマが極域から降り注ぐためだったんですね。

ちなみに、これまで最大の太陽フレアは1859年に起きていて、
その時は全世界でオーロラが見えたんだとか。
2012年に日本中でオーロラが見えたら要注意ですよ!

これからも不思議すぎる宇宙のナゾに体当たりでぶつかります!
気になることや調査してほしいことがあったら、
いつでもお便りプリーズ!

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