ネット界の“旬”なニュースをお届け!

Kindle、iPadなど「電子書籍」への議論が高まっている

2010.02.17 WED

噂のネット事件簿


堀江氏は「読みやすい形態にすべき」と語る ※この画像はスクリーンショットです
今現在、ネット界隈でかなり高い話題となっているのが「電子書籍」である。その主役がアマゾンの「Kindle」とAppleの「iPad」である。ここで象徴的な「電子出版」への意見をいくつか紹介する。まず、著名ブロガーの磯崎哲也氏はこの勝負の行方について自身のブログで「iPad対Kindle、勝負あり。そして出版の未来。 - 磯崎哲也」のタイトルでエントリーを執筆したが、「Kindleを実際に触ってみると、iPhone(3GS)を使い慣れた目には反応速度が遅過ぎて苦笑すらしてしまう」と体験の結果を語ったうえで、「結論は『Apple一人勝ち』という面白みのないものになる」と未来を予測する。

元ライブドア社長の堀江貴文氏は、メルマガ等のネット上のコンテンツで収益をあげている人々のことを紹介したうえで、「大事なのは、iPad/iPhoneでもKindleでもその端末で読みやすい形態にしてから配信することだ。ただ単にデジタル入稿データをPDFにするだけ、では駄目だ。なぜなら読みづらい」とブログで意見を述べた。ただ単に「電子化」すればいいということではなく、「媒体に合わせて読みやすくすべし」という意見である。

また、『ネット帝国主義と日本の敗北』(幻冬舎新書)の著書がある慶應義塾大学教授の岸博幸氏は、同書でも主張していた「文化の衰退」や「無料礼賛への疑問」についてNIKKEI NETで語っている。岸氏は「米国では第2次ネットバブルの際、無料モデルを喧伝する『ウェブ2.0』に踊らされてマスメディアやコンテンツ企業が戦略なくネットに進出したが、結局ネット企業に搾取されただけで、ジャーナリズムや文化の衰退を招いた。電子出版バブルに踊らされて出版社がその二の舞となり、活字文化が衰退するような事態にならないことを期待したい」と書いている。

実際に著書を持つ作家に「アメリカではKindleは印税率70%ですよ。参加したくないですか?」と聞いたところ、作家は「70%の印税があるにしても、出版社がつき、編集者と宣伝担当をつけてくれるのは有り難い。印税10%でも充分。Kindleが100万台売れたとしても、それは全国民にアクセス可能な『書店』にくらべたら微々たるもの。私は既存の出版社の方が自分にとってメリットがあると思う」と語った。

このように、電子書籍に関する議論は高まっているものの、その運用や普及については、まだまだ統一見解のようなものは出ておらず、まだまだ意見は百花繚乱のようである。

取材協力・関連リンク

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト