自転車ブームの影に…

対歩行者の事故は10年で3.7倍に! 急増する自転車事故とその対策

2010.05.17 MON


東京都文京区内の国道17号でも、約1.2kmの自転車レーンが今年3月末に整備された。自主的に整備に取り組む自治体も増えているそうで、今後はこのような光景を目にする機会が増えそうだ
自転車ブームといわれて久しい昨今。歩行者や車の合間を縫って走るスポーツサイクルに「危ない!」と肝を冷やした…なんて経験をした人も増えているはず。実際に警察庁の統計では、自転車対歩行者の事故は、99年からの10年でなんと3.7倍に増加しているのだ。

「スポーツサイクルを通勤に使う人が増えたためか、通勤時の事故も10年前の1.5倍に。また、電動アシスト自転車の事故も増加傾向にありますね。自転車が高速化し、利用者が増えているにもかかわらず、正しい交通ルールは浸透していない。それが事故増加の一番の原因だと思います」

そう話すのは(財)日本交通安全教育普及協会の亀田清人氏。ではなぜ自転車の交通ルールは浸透しないのか。

「それは、ルールを学ぶ機会がないからです。原付や車に乗る人は免許を取るために交通ルールを学びますが、自転車は誰でもすぐに乗れる。だから利用者増が直接事故の増加につながってしまうんです」

たしかに自転車の交通ルールっていわれてもピンと来ない感じ…。そこで、警察庁は07年に「自転車安全利用五則」を発表。「自転車は車道が原則、歩道は例外」「車道は左側を通行」など、基本的なルールの周知に改めて取り組んでいる。何でも人対自転車の事故は、その約3割が歩道、横断歩道で起こっているのだそう。

「自転車は歩行者に対しては『強者』なわけですが、乗る側にはその認識がない。ルールを守っていないというより、そもそもルール自体を知らない人がまだ多いんです」

一方でハード面の整備も進んでいる。国土交通省は08年に「自転車通行環境整備のモデル地区」を公募し、全国から98カ所を選定。都内では江東区亀戸地区、渋谷区幡ヶ谷地区などに自転車レーンが設置され、そのほかの地区でもおおむねの整備を今年3月末までに終えたそう。

「対歩行者の事故を減らすためには、歩行者と自転車を分離するのも有効な手段。今後もモデル地区の利用状況を調査しながら、さらなる整備に取り組んでいく予定です」(国土交通省道路局・環境安全課)

ハード、ソフト両面での整備が順調に進めば、もっと自転車通勤しやすくなるんですけどね。
(古澤誠一郎/Office Ti+)

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